プログラム:融合領域

医療と健康についての今後の政策のあり方を探求するための基礎的研究

プロジェクトリーダー/サブリーダー

関沢 洋一 顔写真

関沢 洋一 (上席研究員)

リーダー

プロジェクト概要

本研究プロジェクトでは、医療や健康に関してエビデンス(因果関係の存否を示せるような証拠)を提示できるようなデータを蓄積し、蓄積したデータに基づいて医療や健康に関連する政策のあり方について提言できるようになることを目指し、以下の研究を行う。

  1. セルフヘルプによるインターネット型医療の効果検証として、月経前のメンタル不調、トラウマ的記憶を伴うような職場ストレス、軽度のうつを対象として、インターネットによる認知行動療法の効果を検証し、医療機関に通院することなく、また、専門家のアドバイスなしで、症状の改善が見られるか、労働生産性の改善が見られるか、をランダム化比較試験によって検証する。これらのうち、軽度のうつについては、バーチャル・リアリティを活用した新タイプのオンライン認知行動療法と、効果検証がまだ十分に行われていない社会リズム療法によって、うつ症状やウェルビーイングにどの程度の改善が見られるか、労働生産性の改善が見られるかを検証する。
  2. 特定健康診査のデータを使って、①特定健康診査に基づく特定保健指導が循環器疾患リスクの軽減につながっているかという因果関係の検証を行う、②特定保健指導のうち積極的支援(上限が25,120円)と動機付け支援(上限が8,470円)(協会けんぽのHPによる)の間に効果の差がどの程度あるのかを検証する。
  3. RIETIでは、コロナ禍において、心身の健康状態を把握できる質問と、社会的接触・経済的状況・外出状態などを把握できる質問に同時に回答してもらうオンライン上のアンケート調査を行い、2020年10月から1年間かけて約1万人を対象とするパネルデータを構築した。本調査からは既にいくつかの研究が論文化されているが、まだ分析しきれていないことも多いので、引き続き本データを利用した研究を進める。
  4. RIETI等が実施した大規模調査である「くらしと健康に関する調査(JSTAR)」では同時に栄養調査も行われており、社会経済的地位と栄養摂取の関係を探求できる貴重なデータとなっている。本研究ではこれらのデータを用いて所得・学歴等と栄養との関係を明らかにする。

プロジェクト期間: 2023年7月10日 〜 2025年12月31日

(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は2023年7月10日 〜 2025年6月30日とし、データ利用報告期間は2025年7月1日 〜 2025年12月31日とする)