通商産業政策の歴史を知ることは、今後の経済産業政策を立案する上でもベースとすべき知見であり、経済学者や歴史学者等の専門家の協力を得ながら、広範な通商産業政策を網羅的、体系的な調査研究を行い、編纂していく。
プロジェクト概要
通商産業省(当時)は、終戦から第二次オイルショック頃までの期間を対象とした通商産業政策史の編纂事業を1984年に開始し、1994年までに全17巻を刊行した。この政策史の対象期間の終期以降二十数年が経過し、新しい時代の政策立案に向けて、比較的新しい時代の通商産業政策に対する分析、評価を求める声も高まってきた。そのため、本研究では、1980〜2000年を中心とする20世紀終盤における通商産業政策の歴史(政策の立案過程、立案を必要ならしめた産業・経済情勢、政策実施の過程、政策意図の実現の状況、政策実施後の産業・経済情勢等)について、客観的な事実の記録のみならず、分析、評価的視点も織り込みながら編纂していくものである。
今次の通商産業政策史は、時代別に章立てを構成する総論1巻、主要な政策項目別に章立てを構成する各論11巻(各論は概ね通商産業省の機構に対応)の全12巻とし、2010年度までに完成を予定している。
プロジェクト実施体制
RIETI内に設置の「通商産業政策史編纂委員会」を主体に事業を実施する。
委員長:編纂主幹
委員:編纂副主幹、各巻執筆責任者、経済産業省代表
通商産業政策史編纂委員会メンバー
編纂主幹 | 尾高煌之助(一橋大学名誉教授、法政大学名誉教授) |
編纂副主幹 | 武田晴人(東京大学大学院経済学研究科教授) |
中田哲雄(同志社大学大学院ビジネス研究科教授) | |
松島茂(法政大学経営学部教授) |
各巻執筆責任者
第1巻(総論) | 尾高煌之助 |
第2巻(通商政策・貿易政策) | 阿部武司(大阪大学大学院経済学研究科教授) |
第3巻(産業政策) | 岡崎哲二(東京大学大学院経済学研究科教授) |
第4巻(流通政策・消費者行政) | 石原武政(関西学院大学商学部教授) |
第5巻(環境・立地保安政策) | 武田晴人 |
第6巻(基礎産業政策) | 山崎志郎(首都大学東京都市教養学部教授) |
第7巻(機械情報産業政策) | 長谷川信(青山学院大学経営学部教授) |
第8巻(生活産業政策) | 松島茂 |
第9巻(産業技術政策) | 沢井実(大阪大学大学院経済学研究科教授) |
第10巻(資源エネルギー政策) | 橘川武郎(一橋大学大学院商学研究科教授) |
第11巻(知的財産政策) | 中山信弘(東京大学大学院法学政治学研究科教授) |
第12巻(中小企業政策) | 中田哲雄 |
2006年度の主な活動
- 「通商産業政策史編纂準備会合」(「通商産業政策史編纂委員会」設置前)および「通商産業政策史編纂委員会」の開催
- 編纂主幹によるマニュフェスト(全体スケルトン)の作成
- 「通商産業政策史編纂の基本的方針」の策定
- 巻別構成、巻別執筆責任者および共同執筆者の決定
- 過去の政策担当者との意見交換の実施