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RIETI政策シンポジウム:「インターネット時代の著作権」

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インターネットが爆発的な普及を続けている中で、既存の社会の仕組みとの間でさまざまな摩擦問題が起こるようになってきました。その中でも著作権・知的財産権の問題は最も重要かつ切迫した問題です。なぜなら、既存の著作権・知的財産権の枠組みが、インターネットの実現する情報共有ネットワーク的な特性と齟齬を来たしているからです。

例えば米国では著作権を極端に保護するDMCA法が成立し、所謂ミッキーマウス裁判(Eldred v. Ashcroft訴訟:米国最高裁判所の判決文も司法省側の勝利に終わりました。一方で、中国ではソフトウェアやCDの90%以上が海賊版といわれており(参考:「海賊版世界地図」(Forbes.com))、Peer to Peer(P2P)技術を用いたファイル交換ソフトウェアのユーザ数は全世界で7000万人を超えると推定されています。この傾向は日本でも加速しつつあり、WinnyやWinMXといったファイル交換・共有ソフトの普及が進んでいます。この問題に対して、日本政府は「知的財産権の強化」をIT政策の柱とし、知的財産戦略会議などによってその保護の強化を図っています。(参考:「『羅生門』は誰のものか」)

一方で、インターネットの世界ではフリーソフトウェアやオープンソースの精神に則った共有をベースとした自由な開発文化が、その発展の一翼を担ってきました。最近、日本政府も政府調達における選択肢として所謂オープンソース・ソフトウェアを導入する動きを見せており、上記のような著作権保護政策と対照的なものとして注目を集めています。
映画や音楽もひとつのソフトウェアと考えれば、ソフトウェア開発において共有文化が収めている成功は、保護の方向に進む著作権のあり方を考える際にも無視し得ないものといえるでしょう。

そこで、本シンポジウムでは、FSF(フリーソフトウェア財団)の創設者で「フリーソフトウェア運動」の指導者であるリチャード・ストールマン氏を迎え、「自由なソフトウェアの可能性」と題して基調講演をいただきます。また、引き続く討論では、サイバー法の専門家、政策当局の担当者、ソフトウェア開発に携わる技術者を交えて、

  • 全世界で情報を共有するインターネットと著作権はどう両立するのか、あるいはしないのか。
  • 創造性を高めるためのしくみとして現在の制度は適切なのか。
  • 他にどのような制度が考えられるか。
といった問題を討論していきます。

プログラム・配付資料

13:00-14:45 第1セッション:「自由なソフトウェアの未来」(日英同時通訳あり)

池田 信夫顔写真

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司会:池田 信夫(RIETI上席研究員)


リチャード・ストールマン顔写真

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基調講演:リチャード・ストールマン(GNUプロジェクト代表)


加藤 幹之顔写真

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コメンテーター:加藤 幹之(富士通法務・知的財産権本部長代理)


第1セッション関連資料
  1. フリーソフト関連
  2. GPL関連
  3. オープンソースソフトウエアの政府調達導入関連

14:45-15:00 コーヒーブレイク

15:00-17:00 第2セッション:「デジタル著作権と知的財産戦略」(同時通訳なし)

池田 信夫顔写真

司会:池田 信夫(RIETI上席研究員)

討論

林 紘一郎顔写真

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林 紘一郎(慶応義塾大学教授)


小倉 秀夫顔写真

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村上 敬亮顔写真

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村上 敬亮(経済産業省商務情報政策局情報経済課課長補佐)


楠 正憲顔写真

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楠 正憲(マイクロソフト(株)プロダクトマネージャー)


第2セッション関連資料
  1. P2P関連(日本語のリソース)
  2. 著作権関連
  3. コンテンツ流通関連

*上記プログラムの講演内容及び講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。

This work is licensed under a Creative Commons License.

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