アカウンタビリティーとは「説明責任」と訳されているが、その成立には、第一に該当事項に関し、事前に「目的」と「目標」が説明されていることが必要である。目標の明示に併せて、その目標達成をどのように評価するかという「指標(measurement)」も同時に明らかにしておく必要がある。事後にその指標に基づいた調査検証と評価を行わなければ、目標達成(度)を立証することは論理的に不可能である。そして目標達成度を自己評価し、説明しないかぎりアカウンタビリティーは果たせないのである。つまり、アカウンタビリティーとは、「事前の説明」と「事後の検証・評価」のセットに他ならないのである。
スポーツについてこの点を鑑みれば、「国際スポーツイベント開催による地域振興」の内実とは何かが従来議論されず曖昧なままで、具体的に明示されていなかったのが実態である。しかし、そこで開催地域が「期待し得る成果」とは、一般的に如何なる領域におけるものなのかを明示することは可能であり、緊急かつ重要だと思われる。
当該地域がそこで明示された個別の施策の中でどれを選ぶのか、それは一律に決めるべきことではなく、それぞれの当該地住民が選択すべき戦略の問題である。(戦略とは「何をしないか」を議論して決定することである。)だが、少なくとも何を目指し、期待して開催地となるのか、事前の明示をし、議論のうえで「目的」に関するコンセンサスを得ること。同時に目標を設定し、指標を示すこと。そして事後に選択された期待すべき成果項目の達成度を調査し評価すること。それ無しには政策のアカウンタビリティーは果たせないのである。