■大分知事インタビュー

 

1) 2002年Wカップは大きな成果を挙げたと思いますが、自治体首長としての全体的な印象をお聞かせ下さい。

○「安心・安全」な大会運営、「ホスピタリティ」、「アフターワールドカップ」が開催に当たっての留意点。
○「安心・安全」の観点からは、交通輸送や警備、治安対策など、スムーズな運営ができた。
○「ホスピタリティ」の観点からは、中津江村の歓迎が騒ぎになり、本大会に入ってからも、大分らしいおもてなしができた。各国大使から「大分のホスピタリティは素晴らしい」と言ってもらえた。
○「アフターワールドカップ」の観点からは、国際交流を進展させようと、「大分カメルーン親善協会」「中津江村笑顔の会」などがカメルーンの間にでき、その他にもいくつかの交流が進んでいる。また大分トリニータの国際試合の話も進んでいる。

2) 開催地への立候補時点、開催地決定直後、終了後、各々でWカップへのイメージ、考え方に変化はありましたか。

○招致表明以来、5つの開催意義を唱えてきた。
1. オリンピックをしのぐ国際大会を地方で開催できるということ
→ローカルにしてグローバルな大分を世界に情報発信できる機会としてとらえた。
→一村一品運動の土台にあるローカルにしてグローバル外交の延長線上としてとらえた。
2. 韓国との絆を深めることができたこと 
3. 若者に勇気と希望と感動を与えたこと
4. ビッグアイという優れたスポーツ施設ができたこと
5. 大会を契機に県内各地で観光と交流の輪が広がったこと
→中津江村の観光客増加
→イタリアとのファンゴ(泥パック)交流

3) 住民の自治参加意識の醸成にWカップ開催は貢献しましたか。

○計画段階から多くの県民に参加してもらう取り組みをした。
 ・県下223団体による「2002年FIFAワールドカップ大分推進委員会」
 ・7つの専門委員会
 ・ボランティア参加(JAWOC 1140人、開催地 909人)
 ・大分で試合をする4カ国について、地方振興局ごとに応援する国を決め、関連イベントを実施
○またビッグアイ周辺の自治体での自発的な運動も多く見られた。

4) 市民レベルでの国際交流という点ではいかがでしたか。

○大分市の「こんにちはフェスタ」には33万人の人が詰めかけ、それ以外のイベントでも県民と海外サポーターの交流が各地で見られた。
○ワールドカップでの交流がきっかけでスウェーデンの大学生が県内企業でのインターンシップをすることになった。

※ワールドカップと一村一品運動の関係
○ワールドカップ前から一村一品運動として各国の地域との交流があった。
○オリンピックとは大都市での開催だが、最もグローバルなスポーツが最もローカルな地域で開催できるのがワールドカップであるという認識があった。
○一村一品運動の土台にあるローカルにしてグローバルな外交の延長線上として捉えワールドカップ開催地に立候補した。