経済危機が雇用と生産性のダイナミックスに与えた効果の分析

執筆者 池内 健太 (研究員)/金 榮愨 (専修大学)/権 赫旭 (ファカルティフェロー)/深尾 京司 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2017年3月  17-J-017
研究プロジェクト 東アジア産業生産性
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概要

日本は「失われた20年」の間に複数の不況を経験した。先行研究によれば、経済危機は経済の新陳代謝機能に影響する可能性がある(Caballero and Hammour 1994など)。しかしながら、経済危機が経済の新陳代謝機能に与える効果についての日本に関する実証研究はほとんどない。そこで、本研究では、日本経済が危機に直面した際の生産性と雇用の関係について、産業レベル・ミクロレベルのデータを用いて分析した。分析の結果、日本が「失われた20年」の間に経験した経済危機は、生産性の高い事業所の相対的なシェアの拡大を通じて、産業内の資源配分の効率化を促進したことが明らかになった。