インダストリー4.0を推進するドイツの国内事情及び国家目標

執筆者 岩本 晃一 (上席研究員)
発行日/NO. 2016年6月  16-P-009
研究プロジェクト IoTによる生産性革命
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概要

本稿は、「インダストリー4.0,ドイツ第4次産業革命が与えるインパクト,日刊工業新聞社,2015年7月,岩本晃一」出版後、新たに調査し、全国各地で行った講演のうち、「インダストリー4.0を推進するドイツの国内事情及び国家目標」の部分をPDPとしてとりまとめたものである。
ドイツでは、いきなりインダストリー4.0構想が出現した訳ではない。1989年の東西統一にまで遡って、インダストリー4.0構想の源流を述べている。また、機械がインターネットに接続されるIoTがあらゆる分野において世界的規模で進行するなかで、なぜ、ドイツは製造業の製造現場にスポットを当てた構想を打ち出したのか、国全体を挙げて推進するインセンティブは何か、ドイツの国家目標は何か、それらを調査した結果を述べている。
最後に、ドイツと対比した日本の状況を述べている。日本に関しては、IT投資に対する経営者の理解不足と、仮にIT投資を行うとしても新しいビジネスによる売り上げ増ではなく、コストダウンによる効率化に向かう傾向がある。そのため、世界中のあらゆる分野で進行しているIoT化の波に乗り遅れ、日本の製造業の国際競争力は益々世界から取り残されてしまう可能性が大きいとの指摘で終える。