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総論

ここでは、報告書II「基本的な戦略」について、執筆者の村上敬亮情報政策課長補佐、森川毅情報経済課係長が解説します。ここでは、基本的に報告書第II部で論じている、戦略Iとしての、新しいイノベーションを核とした収益モデル構築への戦略、そして戦略IIとして、従来から強みを発揮してきた部分をどう伸ばしていくかについて、議論を進めていきます。

情報家電の現状と展望

いま、とても売れているデジタル家電とは何か?素朴な疑問からはじまり、それぞれの商品カテゴリ毎にアナログ時代のとの進化のレベルを検証する。さらに通信のデジタル化と融合することで今後どのような社会変化が起きようとしているのか?少しづつ現れているデジタル社会へのイノベーションの萌芽を見つけなから、後の章につづくためのイントロダクション的役割を担う。

コンシューマレポート戦略

「機器のイノベーションに消費者はどのような期待を持っているのか?」非常にシンプルな問いかけながら、製品作りの本質でもある問題について、今日はその消費者というもが急速に多層化していく変革期であるため単なる店頭での売上だけでは見えない消費者ニーズが存在する。そのため、単なるクレーム集ではないコンシューマレポートを実現し、多層化していく消費者の声を整理し、消費者の期待と潜在的な消費者ニーズを抽出し、「メーカーの商品作りにフィードバック」をしていける基盤作りについての方策を提示する。

競争ルール戦略

情報家電のネットワーク化が進み、通信を生かした用途が広がってくれば、放送、通信、遠隔医療、遠隔教育などサービス事業者のサービスを実現するための一定のハードやソフトの仕様の共通化が必要になる。その際、情報家電全体のアーキテクチャデザインの育成に失敗すれば、サービス事業者はPCにこぞって流れ、情報家電としての競争力を失う可能性もある。 本当に大切なことは、メーカー同志の技術競争ではなく、ネットワーク化後の情報家電に「何が出来るのか?」、「それはどういうシステムとサービスをどう組み合わせているからなのか?」を、消費者や各種サービス事業者にしっかりと提案しサービス参入を促進することではないのか。これらを実現するための方策を提示する。

情報家電とコンテンツ産業

情報家電の魅力となりえるコンテンツについて、「いかに良質のコンテンツをつくりを持続できるのか?」という観点からクリエイターにインセンティブが生まれるコンテンツ流通の仕組みについて、本格的なデジタル情報化社会の登場を見据えながら検討していく。

情報家電デバイス

情報家電を支えるシステムデバイスについて、日本はいかにして競争力を維持できるのだろうか? 現状と今後の優位性の維持について、情報家電の未来を見据えた観点から、検討を行う。あわせて、ソフトソフトウエア分野において、将来の情報家電のプラットホーム化を支えるキーデバイスとなりえる技術を解説する。

情報家電とソフトウェア産業

アナログ家電時代では制御のための脇役であったソフトウエアが、デジタル家電時代に入った際には、データ処理を担う主役に躍り出た 今後は「いかに信頼性が高いソフトウエアをいかに早く作って、実装できるか?」が競争力となり得る。 しかしながら、現在のデジタル家電では、その不具合が多発しており、この傾向が続けばデジタル家電のDOS/V化(再起動する家電)も避けられないと考える。