調査方法

この調査研究にあたっては、10の開催自治体に対するアンケート調査を元にヒアリング調査(一部書面調査)およびそれら回答に付随する文献等資料調査を実施した。

1.  開催10自治体へのアンケート調査の実施

A. 調査対象

2002年日韓Wカップの会場となった国内10の自治体を対象に実施した。具体的には以下の通り。

札幌市宮城県茨城県埼玉県横浜市新潟県静岡県大阪市神戸市大分県

B. 調査内容

1999年に、財団法人地域活性化センターが実施した「国際スポーツイベントによる地域づくりに関する調査研究事業」を元に、地域づくりついて重要と思われる25の視点を抽出し、これらの視点を中心として、一連の「事業」についての事後評価に関するアンケート調査を実施した。

質問内容については下記資料の通りであるが、大きく「事後調査の必要性への認識」「具体的事後評価と戦略性」「その他補足」という3つの角度からアンケートを実施した。

資料

  1. Q1. 貴自治体におかれましても、ワールドカップに関する事後評価は重要であると認識していらっしゃることと存じますが、すでに事後評価はしていらっしゃいますか?

    →ワールドカップの事後調査の重要性、必要性についての認識の有無

  2. Q2. 25の項目について
    A.ワールドカップ開催前に、ワールドカップ開催によって、下記項目について「充実/促進」が図られると考えておられましたか?
    →開催前の充実/促進についての意図の有無
    B.Aで「1.はい」と回答された場合は、そのために施策や事業を実施しましたか?もしされている場合は、その具体的な内容をお書きください。
    →意図があった場合の具体的な施策とその内容
    C.ワールドカップ開催を終え、下記項目について、その成果を評価するとどのようにお考えですか。1~5、X(「1.効果なし」「2.ほとんどない」「3.あった」「4.かなりあった」「5.効果絶大」「X.現段階では評価できない」)のなかから番号(記号)を一つ選んで○をつけてください。
    またその成果を評価するための客観的な指標はありますか?もしある場合には、その項目と内容を具体的にお書きください。
    なお「X. 現段階では評価できない」とする場合は、いつ頃評価できるようになるのでしょうか?評価できる時期とその理由をお書きください。
    →開催後の成果に対する実感とその客観的分析に対する取り組み
  3. Q3. 貴自治体におけるワールドカップの事後評価について、特記すべき事項を自由にご記入下さい。

    →追加補足フリーアンサー

別表

実施した調査と時期
調査内容 時期 方法
開催10自治体へのアンケート調査の実施 2002年12月~2003年1月 アンケートの郵送/回答の返送
開催10自治体へのヒアリング調査の実施 2003年2~4月 依頼状の郵送/各自治体でのインタビュー
補足文献等資料調査の実施 2003年4~6月 各資料について電話/文献/web等での調査

2.  開催10自治体へのヒアリング調査の実施

A. 調査対象

1. のアンケート調査の結果を受け、2002年日韓Wカップの会場となった国内10の自治体を対象に、県知事ならびに市長へのヒアリング調査を実施した。具体的には、札幌市長・桂信雄氏、宮城県知事・浅野史郎氏、茨城県知事・橋本昌氏、埼玉県知事・土屋義彦氏、横浜市長・中田宏氏、新潟県知事・平山征夫氏、静岡県知事・石川嘉延氏、大阪市長・磯村隆文氏、神戸市長・矢田立郎氏、大分県知事・平松守彦氏の計10名。

B. 調査内容

質問項目に関しては、アンケート回答結果や各自治体の特色により多少異なるが、アンケートの回答に対する疑問点等の補填と、Wカップを実施したことが地域づくりに果たした役割について、自治体の長としての実感を伺うことに主眼をおいて設定した。

なお、一部自治体については、首長への直接のヒアリング調査が不可能とのことでWカップ担当者レベルのヒアリングの実施(横浜市)もしくは文書回答(札幌市、埼玉県、新潟県、大阪市)となった。

3.  補足文献等資料調査の実施

アンケート返送の際に、各自治体より添付されてきた効果指標を示す資料や補足データを示す資料の調査に加え、自治体の財政状況、ボランティア数の推移、スポーツ施設数の推移などについて電話・文献・WEB等により調査を実施した。