RIETI年末年始特集

フェローが選ぶ重大ニュース'02

  • 巨人軍優勝

    • 鶴 光太郎(上席研究員)

    重大ニュースとして、「巨人軍優勝」を取り上げるということは、読者は筆者をよほど熱狂的なG党と思われるかもしれない。しかし、筆者はプロ野球ニュースもほとんどといっていいほど見ないプロ野球無関心派である。強いてあげれば、幼稚園の時、巨人ファンであったが、小学校に上がるときに関西に移り、阪神ファンの同級生から難癖をつけられ、「特定の球団のファンにはならないぞ」と堅く誓った経緯がある。そんな筆者がなぜ、「巨人軍優勝」に興味を持ったのか。もちろん、リーグ随一の戦力を持つ巨人が優勝することは当たり前のことかもしれない。しかし、勝負の世界、「駒」だけで勝てるほど甘くない。

  • 中国共産党第16回全国代表大会

    • 関 志雄(上席研究員)

    5年に一度の中国共産党全国代表大会が11月に開催され、その焦点は指導部の新しい人事を決定し江沢民総書記が提唱する「三つの代表論」を党の指導理念として承認することであった。
    今回の大会では、「革命第三世代」にあたる江沢民国家主席や朱鎔基首相ら党首脳の多くが引退し、「第四世代」の胡錦濤を総書記とする新体制が始動することとなった。今回の人事で注目されたのは、国家を指導する政治局のメンバーならびに中央委員の積極的な世代交代が行われたことである。

  • 個人情報保護騒動

    • 安延 申(コンサルティングフェロー)

    常識的に考えれば、北朝鮮拉致被害者事件とか金融再生問題とかを掲げるべきなのだろうし、ちょっとひねれば日韓ワールドカップ共催などというのも面白いかなと思う(それにしても、今年冬季オリンピックがあったことを覚えている人が何人いるのだろうか?)のだが、ここは、強引に自分のフィールドに話を持っていってしまいたい。
    私は、「個人情報保護法」と「住基ネット騒動」を取り上げてみたい。決して、プライバシー保護は如何にあるべきかといった大上段な視点を振りかざすわけではない。それにしても、我が国における個人情報保護騒動は、終始一貫して、「メディア規制」が論点になっていたように思う。

  • スパチャイ氏、世界貿易機関(WTO)の事務局長に就任

    • 玉田 俊平太(研究員)

    9月、スパチャイ(Supachai Panitchpakdi) 氏(タイ)が世界貿易機関(WTO)の事務局長に就任した。
    WTOとしては4代目、GATT時代から通算して7代目の事務局長である。スパチャイ氏以前の歴代の事務局長名を列挙してみると、エリック・ウィンダム・ホワイト(英国)、オリビエ・ロング(スイス)、アーサー・ダンケル(スイス)、ピーター・サザーランド(アイルランド)、レナート・ルジェロ(イタリア)、マイク・ムーア(ニュージーランド)とすべて欧米人なので、「アジア人初の事務局長」「開発途上国出身者がようやく通商関係国際機関の最高位に登りつめた」と期待する向きは多い。