新型コロナ危機下における男女間賃金

執筆者 角谷 和彦(研究員(政策エコノミスト))
発行日/NO. 2022年1月  22-P-001
ダウンロード/関連リンク

概要

本研究では、新型コロナ危機下における男女間賃金を実証分析する。直近の2020年までの賃金構造基本統計調査の調査票情報を用いて、速報的に記述統計を提示する。分析結果は以下に要約される:新型コロナ危機以前から男女間で賃金(6月分の税、手当込み給与額)の水準に違いが見られたが、新型コロナ危機下の2020年に男女とも低賃金(下位20%)の労働者の賃金が大幅に下落している。特に女性において、パートタイム労働者が失職または離職し、フルタイム労働者の労働時間数も短くなる等、労働者の属性、構成にも変化が起きている可能性が示唆された。分析対象を正社員に限定しても、男女間賃金に関して同様の結果が得られた。