執筆者 | 岩田 和之 (松山大学)/馬奈木 俊介 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2018年2月 18-J-005 |
研究プロジェクト | 人工知能等が経済に与える影響研究 |
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概要
自動運転は運転者の利便性を向上させると考えられるため、今後普及していくことが予想される。一方で、その利便性の向上は運転者の自動車需要の増加につながる可能性もある。そこで、本研究は家計への調査を用いて、自動運転が家計の自動車需要にどのような影響を与えるかについて実証的に検証を試みた。自動運転の評価の際には、自動運転によって運転時の疲労と事故リスクが現状の半分になると仮定した。分析の結果、平均的家計では自動運転によって年間走行距離が約630km~3273km増加することが示された。仮に、国内の全自動車が自動運転に置き換わると仮定すると、この走行距離の増分は年間約650万t-CO2~3382万t-CO2の増加につながる。したがって、自動運転の普及に際しては、燃費の良い自動車から導入するというような温室効果ガス抑制の視点での議論も必要になる。