金融機関等による経営支援のあり方と企業の業況改善―金融円滑化法終了後における金融実態調査に基づいて―

執筆者 家森 信善 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2017年3月  17-J-016
研究プロジェクト 企業金融・企業行動ダイナミクス研究会
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概要

経営不振企業の抜本的な経営改善を支援する上での民間金融機関の役割の重要性は広く認識されており、2009年施行の中小企業金融円滑化法以降、経営支援の手法の1つとして、貸付条件の変更がしばしば利用されるようになった。しかし、金融機関は条件変更に安直に応じており、事業再生の支援に本気で取り組んでいないために、条件変更が企業による事業の大幅な見直しの契機になっておらず、単なる問題の先送りになっているとの批判や、企業に対しても目先の資金繰りがつくことに安心して改革に真剣に取り組まないといったモラルハザードが生じているとの批判がある。ところが、外部の観察者にとって、貸付条件の変更後の金融機関の支援姿勢や企業自身の事業変革への取り組みの実情について知ることのできる情報は限られている。そこで、本稿では、「金融円滑化法終了後における金融実態調査(2014年10月RIETI実施)」を利用して、経営改善計画の策定状況、金融機関やその他の経営支援機関の支援姿勢等の違いが、企業の業況回復にどのように影響をしているかを分析し、業況の改善につながる経営支援のあり方を検討する。