地域間サービス価格差と生産性格差

執筆者 徳井 丞次 (ファカルティフェロー)/水田 岳志 (一橋大学経済研究所)
発行日/NO. 2017年3月  17-J-012
研究プロジェクト 地域別・産業別データベースの拡充と分析 -地方創生のための基礎データ整備-
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概要

本研究では、サービス分野の地域間価格差を計測し、都道府県別産業生産性(R-JIP)データベースの地域間生産性格差を再計算した。R-JIPデータベースでは、労働投入の属性別構成とそれに対応する賃金水準情報を用いて地域別の労働投入の質格差を反映させている。その一方で、産出側を計測する産業別付加価値の実質化に地域的な物価水準格差をこれまで考慮しないでいたことが、生産性格差計測でどの程度バイアスを生じさせていたかを評価するためである。われわれは、総務省統計局「小売物価統計調査」の地域別のサービス価格の品目別データを基に、サービス分野の各産業別(建設、電気・ガス・水道、不動産、運輸・通信、その他の民間サービス)に地域間価格差を各年代で推計し、それを使って地域間生産性格差を再計算した。推計方法は、Country-Product-Dummy (CPD) Methodという国際間の絶対的購買力平価の推計に使われる方法を、日本の都道府県間のデータに当てはめた。再計算の結果、2009年では地域間TFP格差指数の標準偏差が0.079から0.069へと約13%縮小した。また導出された地域間物価水準格差指数を使って、国際経済間で成立するバラッサ・サミュエルソン効果が、日本の地域経済間でも成り立つかどうかを検証した。