職業資格制度と労働市場成果

執筆者 森川 正之 (理事・副所長)
発行日/NO. 2017年2月  17-J-009
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概要

本稿は、日本における職業資格と労働市場成果の関係について、独自に実施した個人サーベイのデータを用いて、新たな観察事実を提示するものである。一般資格と独占的資格とを区別するとともに、職業資格の単なる保有と仕事での使用とを分けて分析していることが特長である。半数以上の個人が何らかの職業資格を保有しており、医療・福祉、教育をはじめとするサービス部門を中心に、全就労者の4割近くが仕事に利用している。職業資格は労働市場成果に対して大きな影響を持っており、女性や高齢者の就労や賃金上昇に寄与する一方、非効率な独占レントを通じて市場の効率性に負の影響を持っている可能性が高い。サービス経済化が進む中での職業資格の重要性に鑑みると、職業資格の保有や使用の実態について定期的に実態把握を行うことが望ましい。