都市ガスシステム改革政策評価モデルの開発

執筆者 戒能 一成 (研究員)
発行日/NO. 2016年10月  16-J-058
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概要

我が国においては、2011年の東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を契機とした電力・都市ガス制度改革の一環として、2017年4月からの都市ガス小売の全面自由化などを内容とする「ガスシステム改革」が進められている。
当該「ガスシステム改革」においては、高圧パイプライン網の整備・接続拡大と新規参入を通じた事業者間の競争促進という2つの政策課題が提示されているが、こうした政策課題と主要な外的影響要因について包括的・定量的な予測・評価を可能とし関連部局における適正な政策判断を支援していくことは非常に重要である。
本研究においては、当該視点に基づいて過去の政策に関する定量的政策評価と各種公的統計による実績値により政策関連指標を定量的に算定可能な新たな都市ガス需給と高圧パイプライン網整備に関するシミュレーション・モデルを開発し、LNG価格変化・需要変化などに関する感度分析を実施して精度確認を行った。
更に、当該モデルを用いてメタンハイドレート開発・実用化や国際パイプライン整備促進を事例とした都市ガス需給や各種関連政策指標への影響についての定量的政策評価を試行した。