オンラインによる5分間認知行動療法と感情を受け入れるだけのマインドフルネス・エクササイズはうつ症状を軽減するか?-ランダム化比較試験による検証

執筆者 野口 玲美 (千葉大学)/関沢 洋一 (上席研究員)/宗 未来 (慶應義塾大学)/山口 創生 (国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)/清水 栄司 (千葉大学)
発行日/NO. 2016年3月  16-J-013
研究プロジェクト 人的資本という観点から見たメンタルヘルスについての研究 2
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概要

背景と方法:うつ症状を軽減するセルフヘルプ型の取り組みとしてインターネットを活用した認知行動療法(iCBT)があるが、効果が長続きしない、脱落率が高い、有料のものが多いといった問題がある。これらの問題に対応するため、本研究では、1日5分間で行える無料のiCBTと、感情を受け入れるだけのマインドフルネス・エクササイズの効果を検証した。974名をiCBT群(326名)、マインドフルネス群(323名)、待機群(325名)にランダムに割り振り、iCBT群とマインドフルネス群は5週間にわたってエクササイズを行ってもらった。全参加者のデータを用いたITT(Intention-to-Treat)解析に加えて、週2回以上エクササイズを行ってエクササイズ終了直後に評価指標に回答した人々に限定したPer-Protocol解析を行った。主要評価指標としてCES-D、副次的評価指標としてPHQ-9、GAD-7を用いた。

結果:エクササイズ終了直後において、ITT解析では、CES-Dで、有意ではなかったもののiCBT群が待機群に比べてうつ症状が改善した(p=0.05)。PHQ-9ではマインドフルネス群が待機群に比べて有意に改善した。Per-Protocol解析では、CES-DでiCBT群が待機群に比べて有意に改善し、PHQ-9でiCBT群とマインドフルネス群が待機群に比べて有意に改善した。上記の結果は、更に6週間後のフォローアップ評価時には維持されなかった。

結論:iCBTもマインドフルネス・エクササイズも短期的なうつ症状軽減の可能性がある。効果を高めるため複数の方法を組み合わせるなど更に工夫する必要がある。