執筆者 | 田中 健太 (武蔵大学)/馬奈木 俊介 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2016年2月 16-J-003 |
研究プロジェクト | 原発事故後の経済状況及び産業構造変化がエネルギー需給に与える影響 |
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概要
エネルギー効率性の向上はエネルギー資源が乏しい日本において重要なエネルギー政策の1つである。とくに原発事故後のエネルギー需給がより厳しい状況下において、さらなるエネルギー効率化の向上可能性を模索する必要がある。これまでエネルギー効率性の推計は多くの研究により行われてきたものの、工場や事業所の立地する地域性の影響を明らかにした研究はない。エネルギー利用を地域レベルでより集約化することで産業部門においてもエネルギーの効率的利用をより促すことができる可能性は想定されうる。そこで本研究ではエネルギー集約産業のなかでも日本の紙パルプ産業およびセメント産業を対象に、事業所レベルにおけるエネルギー効率性を推定し、推計されたエネルギー効率性と産業集積との関係性をシステムGMMにより明らかにする。分析の結果、紙パルプ産業の集積地域においては集積地域の経営体のエネルギー効率性が向上している結果が示された。一方でセメント産業においては産業集積によるエネルギー効率向上効果は示されなかった。こうした結果は産業特性に依存するものの、産業集積とエネルギー効率性との関係性を示す結果である。
Published: Tanaka, Kenta, and Shunsuke Managi, 2021. "Industrial agglomeration effect for energy efficiency in Japanese production plants," Energy Policy, Volume 156, 112442.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0301421521003128