知識・情報集約型サービス業の立地と生産性

執筆者 森川 正之  (理事・副所長)
発行日/NO. 2015年8月  15-J-050
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概要

スキル集約度の高い中間投入サービスを生産する「知識集約型事業サービス業(KIBS)」は、先進国の経済成長や国際競争力にとっての重要性が高まっている産業である。本稿は、事業所・企業のミクロデータを使用して、情報サービス業、出版業、デザイン業といった知識・情報関連の事業サービス業の生産性を、都市密度の経済効果に着目して分析する。推計結果によれば、これらサービス事業所・企業が立地する市区町村の雇用密度が2倍だと労働生産性は平均的には数%高いという関係があり、製造業に比べて大きな都市密度の経済性が観察される。ただし、業種によってかなりの違いがあり、東京・大阪をはじめとする大都市と中堅・中小都市とでは振興の対象とすべきサービス業種が異なることを示唆している。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:16-E-067