金融円滑化法終了後における金融実態調査結果の概要

執筆者 植杉 威一郎  (ファカルティフェロー) /深沼 光  (日本政策金融公庫) /小野 有人  (中央大学) /胥 鵬  (法政大学) /鶴田 大輔 (日本大学)/根本 忠宣 (中央大学)/宮川 大介 (一橋大学)/安田 行宏 (一橋大学)/家森 信善 (神戸大学)/渡部 和孝 (慶応義塾大学)/岩木 宏道 (一橋大学)
発行日/NO. 2015年6月  15-J-028
研究プロジェクト 企業金融・企業行動ダイナミクス研究会
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概要

2008年9月のリーマンショックとそれに伴う深刻な景気後退期において、企業の資金調達面では2009年12月に金融円滑化法が施行されるなどのさまざまな政策対応がなされた。その金融円滑化法が2013年3月末で終了したことを踏まえ、経済産業研究所では、2009年12月以降現在に至るまでの企業の資金調達環境について、中小企業を中心とする2万社に対する大規模なアンケート調査を2014年10月に実施し、6000社以上から回答を得た。分析の主要課題は、金融円滑化法導入・終了の効果、金融円滑化法に努力規定が盛り込まれた貸付債権の条件変更の実態、条件変更に際して提出するものとされた経営改善計画の内容、条件変更後の企業が直面する経営環境の変化である。本論文では、これらの点について、調査結果の集計統計を示してその概要を取りまとめることにより、新たな知見を提供している。さらに補論では、今後の企業の資金調達にとって重要性を増すと想定される資本性資金についての調査結果も示している。