中国の人口移動と経済発展――最新の人口センサスからの検証

執筆者 孟 健軍  (客員研究員)
発行日/NO. 2013年6月  13-J-048
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概要

改革開放政策以降、中国経済の最大の特徴は、市場経済の下、中国経済発展史上初めてヒト、モノ、カネという経済資源が真の意味で全国的範囲に流動化されたことにある。この流動化の過程は、中国を伝統経済あるいは計画経済から市場経済へと移行させ、さらに新たな経済資源の再配置の原動力をもたらした。

本稿は、2010年に行われた最新の第6回全国人口センサスの人口移動統計を基にし、中国地域間の人口移動と経済発展をみるものである。具体的には、近年の人口移動の地域分布およびトレンドについて分析するとともに、都市、鎮(町)、郷村(村)の3つの階層における人口移動を考察し、地域間の人口移動の特徴を明らかにする。そして、人口移動の要因と各地域の経済発展の関係、ならびに市場経済の下、中国における経済資源の再配置過程およびそのメカニズムについて検証を試みる。