防災インフラ整備における動学的不整合の定量分析:陸前高田市防潮堤整備を例として

執筆者 河野 達仁  (東北大学) /北村 直樹  (東北大学) /山崎 清  (株式会社 価値総合研究所) /岩上 一騎  (株式会社 価値総合研究所)
発行日/NO. 2013年6月  13-J-045
研究プロジェクト 東日本大震災に学ぶ頑健な地域経済の構築に関する研究
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概要

費用便益分析は無駄な公共事業を行うといった政府の失敗を避けるために有効な手段と考えられている。しかし、費用便益分析の義務化で、住民が費用便益分析に基づく公共投資政策を期待することになると、動学的不整合問題が生じる可能性がある。これは、費用便益分析では住民の行動(顕示選好)に基づき評価を行うため、費用便益分析により最適と判断される政策が住民の行動前後で異なる不整合があるためである。本研究では、岩手県陸前高田市の防潮堤整備政策を例にとり、費用便益分析の義務化による動学的不整合問題のメカニズムを示すとともに動学的不整合問題の社会厚生への影響を定量的に考察する。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:13-E-072