RIETIの生産性研究について:アップデート

執筆者 森川 正之  (理事・副所長)
発行日/NO. 2013年5月  13-P-010
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概要

本稿の目的は、経済成長政策の企画・立案に携わる実務家を念頭に置きつつ、RIETIのこれまでの生産性に関する研究成果を概説することである。(1)マクロ経済および産業レベルでの成長会計分析、(2)企業・事業所のミクロデータを用いた生産性の分布および動態に関する分析、(3)ミクロデータを用いた企業・事業所レベルでの生産性の決定要因に関する分析、(4)人的資本と生産性の分析に分けて整理する。生産性に関連するRIETIの論文は100本を超えており、政策実務においてさまざまな形で利用されてきた。また、研究成果は学術誌や書籍で公刊され、学術的にも貢献している。これまでの研究を通じて多くの知見が蓄積されてきたが、具体的にどうすれば日本経済・産業の生産性を高めることができるのかについては未解決の研究課題も多い。生産性向上は成長政策の柱であり、今後とも政策形成に理論・実証面から寄与し、学術的な貢献にもつながるような質の高い生産性研究を推進していくことが必要である。

本稿はポリシー・ディスカッション・ペーパー(10-P-003)を改訂したものです。