執筆者 |
金 榮愨 (専修大学) /権 赫旭 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2013年3月 13-J-018 |
研究プロジェクト | サービス産業生産性向上に関する研究 |
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概要
本稿は『情報処理実態調査』を『企業活動基本調査』に接続した企業レベルデータを用いて、日本企業におけるIT投資の動きとその効果を調べ、日本経済でIT化が進まなかった理由を探るために実証分析を行った。これらの分析により得られた結論は以下の通りである。(1)ITサービスの付加価値弾力性は17%から18%である。(2)日本企業におけるIT関連費用の付加価値弾力性は2000年代半ばから上昇する。IT集約度の低下の下で、これはIT投資の収益率の上昇を意味する。(3)日本企業のIT関連費用は2004以降減少する。IT投資の収益率が高まったにもかかわらずIT投資が減少した原因として、IT要員に対する教育・研修と組織改編などの補完的な資産への不十分な投資が考えられる。補完的な投資を行っている企業ほどIT集約度が高い。