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食料の輸出数量制限に対する規制の有効性

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執筆者山下 一仁  (上席研究員)
発行日/NO.2013年02月  13-J-006
研究プロジェクトグローバル化と人口減少時代における競争力ある農業を目指した農政の改革
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ノンテクニカルサマリー

概要

国際穀物市場は、農産物貿易政策によって各国の国内市場と分断された市場であるという特徴がある。国際価格が低迷している時、輸入関税などを使って自国の農業を保護しようとする。この結果、国際市場への需要が減少するので、穀物価格はさらに低下する。逆に、国際価格が高騰すると、輸出税を課したり、輸出を禁止したりして、国内消費者への供給を優先しようとする結果、国際市場への供給が減少するので、穀物価格はさらに上昇する。最近においても、2008年に穀物価格が3倍に上昇した際、インドや中国などは輸出を制限する措置を講じ、フィリピンなどの穀物の輸入国では食料危機が発生した。

2012年世界的な穀物価格の上昇を受けて、輸出国による輸出制限に対し規制を行うことが、国際社会の関心事となった。ロシアのウラジオストクで開かれた、APEC首脳会議においては、これを非難する声明が出された。

しかし、はたしてこのような国際社会の認識は、WTO等で食料の輸出制限を法的にかつ実効的に規制することにまで、昇華していくのだろうか? これまで、輸入国である日本は、たびたび輸出制限に対する規制を国際社会で訴えてきたが、規制を受けるはずのアメリカや豪州などの輸出国が反対しなかったのはなぜだろうか? また、このような規制は我が国にとって必要・有効なのだろうか? 本稿は、これまで当然のことのように考えられてきた輸出制限に対する規制の必要性と有効性について、分析する。

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