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非正規労働者の雇用転換−正社員化と失業化

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執筆者久米 功一  (名古屋商科大学)
鶴 光太郎  (ファカルティフェロー)
発行日/NO.2013年02月  13-J-005
研究プロジェクト労働市場制度改革
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ノンテクニカルサマリー

概要

非正規雇用は、無業者・失業者を雇用につなぎ、さらに正社員へ転換するステップとしての役割が期待されている。本稿では、非正規雇用を主な対象とするWebアンケート調査の結果を用いて、非正規雇用から正社員あるいは失業に転じる場合の決定要因について、雇用形態や留保賃金の違いに注目して実証的に分析した。

その結果、前職が契約社員、卒業直後に正社員、前職の労働時間が長い、企業規模が小さい、人的ネットワークやインターネットを求職手段として活用する等の要因が非正規雇用から正社員への転換確率を高めていることがわかった。その一方、前職の雇用形態、業種、労働時間等の就業状態は非正規雇用から失業への転換に影響していなかった。また、雇用形態別にみると、他の雇用形態と比較して、失業者から正社員への転換が起こりやすいものの、正社員の職にこだわるほど失業期間が長期化していた。

さらに、ジョブサーチ理論の予想に反して留保賃金が高いほど正社員になりやすいこともわかった。正社員の職へのこだわりからくる失業の長期化は人的資本を減耗させることから、失業を経ることなく非正規雇用から正社員へ転換できるようなオン・ザ・ジョブ・サーチ(仕事を続けながら職探しを行うこと)の支援や多様な正社員制度の整備が望まれる。

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