日本企業のオープンイノベーションに関する新潮流:大手メーカーに対するインタビュー調査の結果と考察

執筆者 元橋 一之  (ファカルティフェロー) /上田 洋二  (経済産業省) /三野 元靖  (経済産業省)
発行日/NO. 2012年8月  12-P-015
研究プロジェクト オープンイノベーションの国際比較に関する実証研究
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概要

イノベーションに関するグローバル競争の激化や新興国市場に対応した事業モデルの転換が迫られる状況で、日本企業はオープンイノベーションへの動きを加速化させている。ここでは、日本の大手メーカー9社に対するインタビューによって明らかになった研究開発や事業戦略に関する外部連携と国際化に関する新たな動きについて述べる。具体的には、以下の5点について各社の取り組みが進んでいることが分かった。(1)オープンイノベーションに関する専門部署の設置、(2)研究から事業化まで一気通貫のオープン化、(3)戦略的な外部連携に対する取り組み、(4)社会システムデザインを目指した異業種コンソーシアム、および(5)海外(特に新興国)におけるオープンイノベーションの取り組みである。また、政策的なインプリケーションとしては、(1)技術経営教育の充実、(2)知的財産権の強化と技術市場の確立、(3)海外への技術流出に対する対応などを挙げることができる。