日本企業の構造変化:経営戦略・内部組織・企業行動

執筆者 森川 正之  (理事・副所長)
発行日/NO. 2012年5月  12-J-017
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概要

本稿は、企業に対する独自のサーベイの結果に基づいて、日本企業の構造変化について概観する。具体的には、1990年代に実施された調査と同様の調査を行い、日本企業の経営戦略、統治構造、内部組織、企業行動の変化を観察する。非上場企業を含めて日本企業を幅広くカバーしている点が本稿の特長である。集計結果によると、経営の時間的視野が長いこと、従業員や取引先・顧客のステークホルダーとしての役割が大きいこと、企業経営悪化時の雇用調整が難しいことなどは、あまり変化していない日本企業の特徴である。一方、変化が見られる点として、業績として売上高よりも利益を重視する傾向が強まっていること、企業経営に対する株主の影響力が拡大する傾向が見られることが挙げられる。また、日本企業は、M&Aや不採算事業の売却といった大胆な事業再編を活発に行うようになっている。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:13-E-083