プルリの貿易ルールについての検討(ITAとACTAの実例を踏まえて)

執筆者 中富 道隆  (上席研究員)
発行日/NO. 2012年2月  12-P-002
研究プロジェクト 今後の通商システムとガバナンスについてのケーススタディーと方向性の検討
ダウンロード/関連リンク

概要

95年にWTOが発足して以来、WTOルールの主要な変更と改革は、金融・テレコミ合意、ITA、ACTAに見られるように、イッシューベースの複数国間合意(プルリ合意)によって行われてきた。全員一致の原則の下、ドーハラウンドは膠着状態に陥っており、FTA競争が益々加速化する中で、通商分野のグローバル・ガバナンス確保の観点からも、イッシューベースのプルリ合意の必要性は今後益々高まっていくことが予想される。本PDPでは、研究員自らが深く関与しその策定に貢献したITA、ACTAの実例分析を参考にしつつ、通商分野における今後のプルリ合意の活用と限界について、法的観点を踏まえ多面的に検討し提言する。

より具体的には、プルリ合意実現の視点から、(1)プルリ合意の必要性と特質、(2)WTO協定化の方法と限界、(3)WTO協定整合性確保と限界、(4)非参加国との権利義務関係、(5)事務局機能、(6)参加国拡大へのインセンティブ等について検討するとともに、今後のプルリ合意の具体的候補分野につき検討し提言する。

※本稿の英語版ポリシー・ディスカッション・ペーパー:12-P-009