派遣労働者の生活と就業-RIETIアンケート調査から

執筆者 大竹 文雄  (大阪大学) /奥平 寛子  (岡山大学) /久米 功一  (名古屋商科大学) /鶴 光太郎  (上席研究員)
発行日/NO. 2011年4月  11-J-050
研究プロジェクト 労働市場制度改革
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概要

本稿では、非正規労働者(派遣労働者中心)を主たる対象として実施されたWebアンケート調査(RIETI「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査」)に基づき、派遣労働者をパート・アルバイト労働者、契約社員と比較しながら、その属性、就業・生活実態、就業形態の変化などについて分析した。その結果、製造業派遣労働者や契約社員は、家計支持者であり、正社員を望みながらやむを得ず非正規雇用に就業している「非自発的」非正規労働者が多い一方、パート・アルバイトは主婦で家計の補助、自分の都合に合わせて働き方を選んでいる「自発的」非正規労働者が少なくなく、満足度や幸福度も高めであった。また、日雇い派遣、製造業派遣は同じ雇用形態に留まる定着率も低く、今回の経済危機でも他の雇用形態に比べマイナスの影響をより強く受けた。