執筆者 |
宇南山 卓 (神戸大学) |
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発行日/NO. | 2010年1月 10-J-003 |
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概要
SNAと家計調査から計算される家計貯蓄率の乖離の原因を明らかにし、日本の貯蓄率の低下の原因を考察した。特に、近年の統計の整備を活用することで、先行研究では困難とされた問題を解決した。こうした統計の改善を用いて、先行研究で知られた要因を調整すると、貯蓄率の乖離の3分の2が説明できた。本稿では、さらに、家計調査の誤差を検討し、残りの3分の1の乖離を説明した。原因を明らかにしたことで、これらの家計調査の誤差を修正する方法を提示し乖離を解消することができた。近年の貯蓄率の低下は、高齢化という人口の年齢構成の変化のみならず、無職世帯の貯蓄率が急激に低下したことが原因となっていることが示唆された。