ミクロ・データによる生産性分析の研究動向―参入・退出、経済のグローバリゼーション・イノベーション・制度改革の影響を中心に

執筆者 松浦 寿幸  (研究員) /早川和伸  (アジア経済研究所・経済産業研究所) /加藤雅俊  (一橋大学経済研究所)
発行日/NO. 2008年9月  08-P-007
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概要

本稿では、近年、急速に増加している企業・事業所データによる生産性分析を、参入・退出、グローバリゼーション、イノベーション・制度改革の影響という3つの視点からサーベイした。また、生産性の推計方法やデータの利用可能性などのテクニカルな側面についても検討し、さらに、これまでの研究の潮流を踏まえ、今後の研究課題を整理した。今後の研究課題とは、具体的には、(1)規制改革や輸入の自由化などの制度変更が参入・退出、および生産性に及ぼす影響についての研究の必要性、(2)わが国における対内直接投資の影響に関する研究の充実、(3)産業横断的な規制に対する影響に関する研究、(4)企業・事業所データの利用環境の充実の4点を指摘している。