日本のODAによる技術援助プログラムの定量的評価-インドネシア鋳造産業における企業レベルデータ分析-

執筆者 戸堂康之  (東京大学)
発行日/NO. 2008年7月  08-J-035
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概要

本稿は、日本の政府開発援助によるインドネシア鋳造産業に対する技術援助プログラムの効果を定量的に推計したものである。推計に当たっては独自に収集した企業レベルデータを利用し、プロペンシティ・スコア・マッチングに差の差の手法を合わせた推計を行った。その結果、技術援助プログラムが不良品率に与える効果は負で統計的に有意であることが見出されたが、これはこれらのプログラムが参加企業の技術レベルを向上させたことを示している。反面、プログラムの効果は参加企業に限定され、非参加企業に対する技術のスピルオーバーは見られなかった。さらに、JICAによる日本の援助プロジェクトが終了した後に、インドネシアのカウンターパート機関が行った技術援助は平均的には効果がなかった。