どの企業が敵対的買収のターゲットになるのか

執筆者 胥鵬  (ファカルティフェロー / 法政大学)
発行日/NO. 2006年2月  06-J-008
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概要

本論文で筆者は村上ファンドとスティール・パートナーズという2つのモノ言う投資ファンドのターゲット企業と無作為に抽出した同業他社を比較することによって、モノ言う投資ファンドのターゲットになる企業の特徴を分析した。実証分析結果は、企業価値が低いかつ現預金・有価証券・投資有価証券などのキャッシュ・フロー・リッチ、負債比率が低く、株式持合比率が低い企業がターゲットにされやすいと示唆する。この結論は、フリー・キャッシュ・フローがエージェンシー問題を引き起こすフリー・キャッシュ・フロー仮説を支持するものであり、1980年代の米国における敵対的買収ターゲット企業の企業価値が低いかつキャッシュ・フローが豊富だという結論にも一致する。このことから、株式持合が完全に解消されていない日本において、村上ファンドやスティール・パートナーズのようなモノ言う株主の圧力は、1980年代に米国の敵対的買収が企業価値向上に貢献したように、早期退出を促し企業価値を高める役割を果たす可能性が大きい。