執筆者 |
延岡健太郎 (ファカルティフェロー) /上野正樹 |
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発行日/NO. | 2005年3月 05-J-004 |
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概要
中国企業は情報家電においても急速に競争力を高めている。例えばDVDプレイヤーでは、世界市場をリードしている。デスクトップPCやデジカメについても中国企業から多くの新製品が導入されるようになってきた。これらはモジュラー型製品なので、部品を調達することによって容易に開発できる。ただし、国際的な競争力は、製品によって大きく異なる。例えば、ノートPCやデジカメでは、急速な競争力向上は見られない。同じモジュラー型でも、組み合せ能力だけでは競争力は持てないのである。本稿の目的は、モジュラー型製品に関する製品開発能力を再検討することにある。つまり、情報家電での中国企業の競争力を題材として、モジュラー型製品開発能力の本質に関する理論的な枠組みを提示することである。重要な示唆は、モジュラー型製品であれば、組み合わせ能力だけで競争力を持てるという議論が、限定的な事例にしか当てはまらないという点である。