産業連関表を用いたNPOの経済分析

執筆者 高柳大輔/高橋睦春/今瀬政司
発行日/NO. 2002年7月  02-J-010
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概要

近年、公共サービスの民間開放、地方分権の進展、行政プロセスに対する評価等を背景に、官民の役割分担の見直しが行われる中で、民間企業と並びNPO(non-profit organization)が経済社会活動の担い手として注目されつつある。NPOの活動実態・特性については、ミクロベースでは、近年様々な調査研究等がなされ、メディア、著書、論文などを通じて、一般に多数紹介されているが、マクロベースでの把握・検証については、情報および研究蓄積共に非常に少ないのが現状である。本稿では、こうした現状を踏まえ、NPO活動を産業連関表に試行的に組み込むことで、その活動特性のマクロ的把握を試みた。具体的には、始めに産業連関表へのNPO活動の組み込み方法に関して論じ、得られた産業連関表を用いてNPOと各産業部門間での生産規模、取引形態特性の比較検証を行った。更にNPO活動の将来的な経済効果のシミュレーションを試み、最後にこうした分析を踏まえて、NPOの活動のマクロベースでの把握にかかる今後の課題について論じた。