ノンテクニカルサマリー

電力システム改革政策評価モデルの開発

執筆者 戒能 一成 (研究員)
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このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP本文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。

その他特別な研究成果(所属プロジェクトなし)

我が国においては、2011年の東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を契機に、本年4月からの電力小売の全面自由化などを内容とする「電力システム改革」が進められている。

当該「電力システム改革」においては、電力の広域的連系の推進、限界費用順位による短期的競争や発電新規参入投資を介した長期的競争の促進、経過措置料金による消費者保護などの政策課題が提示されているが、こうした政策課題について包括的・定量的な予測・評価を可能とし関連部局における適正な政策判断を支援していくことは非常に重要である。

本研究においては当該視点に基づいて、全国を10地域区分し地域間連系送電の数量制約を考慮した月別、平日・土休日別、時間帯別の電力需要と可変費用順序に基づく連系均衡価格を算定可能で、さらに回収固定費・投入可変費や燃料種別発電参入可否判定、発電用エネルギー投入量・炭素排出量などの政策関連指標を算定可能な新たな電力需給に関するシミュレーション・モデルを開発し、化石燃料価格・電力需要に関する感度分析を実施し精度確認を行った。

更に、当該モデルを用いて経過措置料金制度、高経年原子炉安全規制制度、太陽光発電固定価格買取制度を事例とした電力需給や各種関連政策指標への影響についての定量的政策評価を試行した。