ノンテクニカルサマリー

-企業情報開示システムの最適設計-第2編 日本企業の持続的成長可能性と非財務情報開示のあり方

執筆者 國部 克彦 (神戸大学)
坂上 学 (法政大学)
古賀 智敏 (ファカルティフェロー)
小西 範幸 (青山学院大学)
久持 英司 (駿河台大学)
姚 俊 (日本学術振興会特別研究員 / RIETIリサーチアシスタント)
島田 佳憲 (神戸大学)
研究プロジェクト 企業情報開示システムの最適設計
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このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP本文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。

本ディスカッションペーパーでは、非財務情報について、社会環境情報・知的資産情報・リスク情報に分け、それぞれについて検討をおこなった。理想的には財務情報とともに統合レポーティングのような形で開示する方向で進展すべきであるが、サステナビリティ情報や知的資産情報の開示すべき範囲・方法については、未だ十分なコンセンサスが得られておらず、また社会経済の状況により求められる情報が絶えず変化していくため、制度的な対応を求めることは現実的ではない。当面においては国際統合報告委員会(IIRC)等で国際的に議論が進められているように、投資家と企業の行動変革を促すことを目指した統合レポーティングでの開示充実を求めていくことが必要となる。また、これらの非財務情報の開示については、信頼性の向上と拡張に対する一定の歯止めとして保証を求めることの検討も必要となるが、それを実効的なものとするためには、企業の開示責任の拡大に対する認識を促すとともに、それに対しての監査上の経営判断の尊重および監査負担の軽減とを併せて議論を進めていくことが必要である。


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