著者からひとこと

Economics of Agglomeration: Cities, Industrial Location, and Globalization (2nd Edition)

著者による紹介文

最新の空間経済学と都市経済学を統一的に学べる一冊

本書は、空間経済学と都市経済学の融合を目指して2002年に出版された藤田とJ. Thisseの共著"Economics of Agglomeration"の改訂版である。空間経済学は、地理的空間経済における一般理論を目指して、90年代初めより日米欧の経済学者を中心に急速に発展してきた新しい経済分野であり、その基礎理論は、プリンストン大学のポール・クルーグマン教授、オックスフォード大学のトニー・ベナブルズ教授および藤田の共著"The Spatial Economy"として、1999年に出版された。しかしながら、同書においては、国際経済および地域経済が中心的対象であり、都市経済(特に都市の内部構造と土地利用)については必ずしも十分な注意が払われていなかった。空間経済学と都市経済学の融合を目指して書かれた"Economics of Agglomeration"は、2002年出版以来、空間経済学と都市経済学を統一的に学ぶ初めての統合的な専門書として、世界の大学院学生および研究者に広く受け入れられてきた。しかしながら、その後における空間経済学および都市経済学の発展は目覚ましく、ケンブリッジ大学出版社の勧めにより、最近の発展を全面的に取り込んだ改訂版を出版することとなった。特に、新しい経済地理学(NEG)と国際貿易理論の最新の成果を取り込んだ後半は、大きく改訂されている。この改訂版が、初版に続き、広く受け入れられることを期待している。

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