調査の目的
これまでわが国では、労働者の働き方を検証するワークライフバランス研究や企業での労務管理を検証する人的資本研究は豊富にあったが、両者を効果的に結びつけ、さらに、動学的な観点から両者の関係を検証するような試みは極めて少なかった。本調査は、この点を埋めるべく、企業とその従業員それぞれにアンケート調査を継続的に実施し、人的資本形成とワークライフバランスの関係を横断面的かつ時系列的に明らかにするものである。
調査は本年度から毎年1回のペースで企業とその企業で働く従業員に対して実施する。企業に対しては、人的資源管理(教育訓練を含む)やワークライフバランスに関する制度・措置、節電・環境対策、人件費、労働者数、労働者の増減、労働時間、産業保健の状況、財務の状況などに関する調査を行う。労働者に対しては、労働時間、生活時間、賃金、勤続年数、基本属性(性別、学歴、家族構成など)、資産・負債、価値観などを調査する。
対象となる企業および従業員には、あらかじめ継続調査への回答を協力してもらったうえで、原則として同じ内容の質問票への回答を毎年依頼する。ただし、研究内容に即した質問項目を適宜追加で入れることで、研究に直結したアンケート内容に毎年修正する。
調査概要
- 調査対象
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5,672社及びその企業の従業員
- 調査手法
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郵送調査
- 実施時期
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平成24年(2012年)1月~3月
- 調査結果
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企業 719件(12.6%)
従業員 4,439件 - 主な調査項目
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〈企業調査〉
① 従業員の内訳(職種別・年齢層別・雇用形態別等)
② 従業員の就労時間、休職者数
③ 給与及び賞与の決定要素
④ 東日本大震災の影響とその後の変化
⑤ 雇用保障やワークライフバランスに関する見解
⑥ 雇用調整助成金
等〈従業員調査〉
① 仕事の状況や考え方
② 東日本大震災の影響とその後の変化
③ 雇用保障やワークライフバランスに関する見解
等
関連リンク
- 2014年4月 14-J-021
「企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績-企業パネルデータを用いた検証-」 (黒田 祥子、山本 勲) - 2014年4月 14-J-020
「従業員のメンタルヘルスと労働時間-従業員パネルデータを用いた検証-」 (黒田 祥子、山本 勲) - 2014年3月 14-J-017
「企業における職場環境と女性活用の可能性-企業パネルデータを用いた検証-」 (山本 勲) - 2013年2月 13-J-004
「ワークライフバランスに対する賃金プレミアムの検証」(黒田 祥子、山本 勲)