2009-1-04

平成21年度「日本企業の貿易建値通貨の選択に関するアンケート調査」
Questionnaire Survey on the Choice of Invoice Currency by Japanese Firms

プロジェクト

東アジアの金融協力と最適為替バスケットの研究

プロジェクトリーダー

伊藤 隆敏 (RIETIファカルティフェロー/東京大学大学院経済学研究科(兼)東京大学公共政策大学院教授)

調査の目的と背景

昨今のグローバルな金融危機の影響から、米ドル、ユーロ、円といった主要通貨にとどまらず、東アジア通貨の為替レートも大きく変動している。こうした為替レートの変動は、短期的には日本企業の業績に大きな影響を与えるばかりでなく、中長期的には為替戦略、特に輸出入における貿易建値通貨(インボイス通貨)選択に影響を及ぼす可能性がある。このような状況下において、東アジア域内で生産ネットワークを構築している日本企業がどのような為替戦略を採用し、貿易における価格設定やインボイス通貨の選択を行っているかを実態調査することは、域内諸国間の為替協調のあり方や新しい域内為替レート制度の構築を検討する上で非常に重要な意味を持つと考えられる。

当アンケートは、日本の輸出企業を対象として、どのような通貨に対する為替リスクに直面しているのか、その為替リスクをどのように管理し、市場でヘッジしているのか、特に中国元をはじめとする東アジア通貨の為替リスクを管理する際に、どのような問題点が存在するかを明らかにするとともに、地域別のみならず、輸出・販売ルート別に分類して、貿易建値通貨のシェアとなぜその通貨を貿易建値として選択しているのかという決定要因の情報を収集することによって、東アジアをはじめとして世界各地に生産拠点や販売網を持つ日本企業の視座に立った域内諸国間の為替強調のあり方や、新しい域内為替レート制度の構築への政策提言を行うことを目的とする。

調査概要

     
調査対象・対象者数

2008年度決算における有価証券報告書にて「海外売上高」が計上・報告されている上場企業のうちの製造業者928社

調査手法

郵送調査

実施時期

平成21年 (2009年) 10月~11月

回収率

24.6%

主な調査項目
  • ①為替リスク管理手法・体制
  • ②為替変動に対する価格設定
  • ③インボイス通貨と決済通貨の異同
  • ④本社(日本)から世界・各地域向け輸出に占めるインボイス通貨別のシェア
  • ⑤アジア各国の生産拠点から第三国向け輸出に占めるインボイス通貨別のシェア

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