調査の目的
1990年代後半以降のマクロ環境の変化、規制緩和・制度改革の急速な進展の結果、日本企業のコーポレート・ガバナンスを取り巻く状況は大きく変化した。例えば株式所有構造は1997年の銀行危機以降、かつての銀行・事業法人(インサイダー)優位のそれから内外の機関投資家(アウトサイダー)優位の構造へと大きく転換した。取締役会構成においても、かつてはほとんどの企業が内部者のみで構成された取締役会を持っていたが、現在は半数以上の企業が社外取締役を導入している。このような中で日本企業のコーポレート・ガバナンスに対する考え方、取り組みは大きく変化したと考えられるが、その実態には不明な点も多い。
本調査は、1999年と2003年に財務総合政策研究所により実施されたアンケート(1999年「わが国企業のファイナンスシステムとコーポレートガバナンスに関するアンケート調査」、2003年「進展するコーポレート・ガバナンス改革と日本企業の再生」)の結果と比較可能なものとしている。本アンケートの結果とかつてのアンケートの結果を比較することにより、1990年代後半以降の変化の中で日本企業のコーポレート・ガバナンスに対する考え方、取り組みがどのように変化したのかを明らかにすることを目的とする。
調査概要
- 調査対象
-
上場企業(金融業に属する企業を除く)約3,500社
- 調査手法
-
郵送調査
- 実施時期
-
平成24年(2012年)5月~8月
- 回答数(回答率)
-
419社(11.7%)
- 主な調査項目
-
- ① 株主に対する考え方
- ② 持ち合いの現状
- ③ 買収防衛策
- ④ 株式代表訴訟
- ⑤ 経営者報酬
- ⑥ 取締役会構成
- ⑦ 雇用システム 等