プログラム:産業・企業生産性向上

東アジア産業生産性

プロジェクトリーダー/サブリーダー

深尾 京司 顔写真

深尾 京司 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

人口が減少する日本が潜在成長率を引き上げるためには、全要素生産性上昇の引き上げや、生産要素(資本・無形資産・労働・土地)の効率的な利用を進める必要がある。日本経済はまた、1980年代以降有効需要の不足にほとんど恒常的に苦しめられてきたが、十分な需要を創出しマイナスの需給ギャップを解消するには、資本収益率引き上げによる投資促進、実質賃金引き上げによる消費促進、企業の国際競争力の引き上げなどが肝要である。本プロジェクトでは、一橋大学と連携しながら、詳細な産業別の生産要素投入、生産要素価格、全要素生産性に関する日本経済全体をカバーするデータベース(JIPデータベース)を更新・拡張し、1955年から最近年までの日本の経済成長をサプライサイドから分析する。これによって、日本の潜在成長率と有効需要を如何に高めるかについて提言する。また、政府統計ミクロデータを活用することで、日本における生産性上昇の減退や設備投資・無形資産投資低迷の原因を究明する。この分析にあたっては、日本企業の国際競争力の減退、マークアップ率低下による企業の稼ぐ力の衰退、海外よりも大きな企業規模間生産性格差、企業内および企業間の資源配分の非効率性、終身雇用制の問題点、企業間取引関係の希薄化、などに特に着目する。

本プロジェクトではさらに、高度成長の終焉を迎えつつある中国についてもJIPと同様のデータベース(CIPデータベース)の構築と分析を行う。また、東アジア諸国の生産性と国際競争力を企業レベルで計測するEALCデータベースを更新・拡張する。更には、World KLEMSプロジェクト、EU KLEMSプロジェクト、Asia KLEMSプロジェクト、OECD等と連携することで、日本および中国の産業別生産性や生産要素投入の動向を海外のそれと比較して分析することを可能にする。この他、産業・企業生産性向上プログラム内の他のプロジェクトと協力することにより、県産業生産性(R-JIPデータベース)を用いた県レベルの生産性分析や、無形資産投資の経済効果の分析などを進める。

プロジェクト期間: 2017年4月24日 〜 2019年3月31日

主要成果物

2021年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2020年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2019年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2018年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー