プログラム:産業・企業生産性向上

日米相対比価体系と国際競争力評価

プロジェクトリーダー/サブリーダー

野村 浩二 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

日本の産業に指摘される国際競争力の低下は要素価格差によるものか生産性格差によるものか、価格競争力がパリティとなるような為替水準はどれほどか、エネルギーミックスの転換は競争力をどれほど損ねるのか。こうした課題へ答えることのできる包括的な国際競争力の評価のためには、産出価格差としての価格競争力の把握とともに、その生産過程において中間消費される原材料・素材、部品やエネルギーなどの投入価格差、属性別労働サービスや資産別資本サービスなどの生産要素の価格差、財別の輸入・マージン構造、そして全要素生産性水準における格差などの詳細かつ体系的な測定が必要となる。本プロジェクトでは、日米両国の経済の相互依存関係を軸として産業別に商品別要素別相対価格体系を構築し、産業別国際競争力に関する評価分析をおこなう。とくに成長戦略の視点から日米の生産性ギャップで大きなシェアを占める卸・小売部門、またエネルギー環境政策の視点からは間接税・補助金を含むエネルギー投入価格に着目する。また生産性統計が各種加工統計を束ねその相互の整合性をチェックする司令塔の機能を持つとすれば、相対比価体系を含む国際生産性レベル統計は、国際的な統計概念や分類体系の差異の認識とともにKLEMS体系に対してより包括的な反証機会を与える。その意味において、本プロジェクトの推進は日本の加工統計や一次統計の改善に向けた問題発見的な機能も果たす。

プロジェクト期間: 2013年4月 9日 〜 2015年3月31日

主要成果物

2015年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー