プログラム:産業・企業生産性向上

経済変動の需要要因と供給要因への分解:理論と実証分析

プロジェクトリーダー/サブリーダー

小西 葉子 (研究員)

リーダー

プロジェクト概要

わが国の90年代以降は、マイナス成長が続き生産性も著しく低下したと言われている。少子高齢化が進むわが国が持続可能な成長をするためには、生産性の向上は必要不可欠であると認識され、企業やより小さい生産単位である事業所、セグメントのパネルデータを用いた分析も盛んに行われてきた。標準的な方法として、生産関数を推定して全要素生産性(Total Factor Productivity)を計測するが、推定されたTFPは深刻なバイアスが生じることがかねてより指摘されてきた。既存の手法により生産性を計測し、生産性の下降が観察された際、その原因が技術力の後退によるものか、需要の縮小によるものかを識別することができない。これでは、本来は需要刺激政策をとるべきなのに、生産側を補助するという逆の政策をとってしまいかねない。本プロジェクトでは、この問題を解決するべく経済変動の供給要因と需要要因を分解し、企業の生産性や技術力を正しく計測することを目的としている。過去の同プロジェクトにおいて、供給ショックを技術(生産性)進歩とし、生産関数分析で得られる企業が直面するショックを供給ショックと需要ショック、それ以外のショックに分解する方法を提案した。この方法を開発したことで、製造業と製造業と類似したサービス産業の生産性計測に関する課題は達成できたと考えられる。そこで本年度のプロジェクトでは、近年わが国のGDPの7割以上を占めるサービス産業の生産性計測に特化して研究を行う。

プロジェクト期間: 2013年4月15日 〜 2015年3月31日

主要成果物

2015年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2013年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー