プロジェクト概要
2008年度~2010年度
本プロジェクトでは、足元の金融危機の下で中小企業・地域に如何にリスク資金供給を行うかについて政策的観点を意識しつつ研究を実施し、政策評価を踏まえ、可能な限り政策提言に繋げる。その観点から1)地域への資金配分、とりわけ地域の中小企業にいかに資金を供給するか、2)その資金供給はいかなる担い手によって実現されるか、という中小企業政策的視点で分析する。
現状において、リスク資金供給は地域密着型金融(リレバン)の中でも創業金融・融資で明確に位置付けられているが、間接金融ではカバーしきれない信用リスクなどが存在するため、ファンドの活用、ハイブリッド型融資(アップサイドリターン追及型融資)なども指向されているものの、その実績は金融機関融資の規模に比して極めて低い。したがって、リレバンの中でいかにリスク資金供給が可能であるのかを分析検討することも現状では極めて重要となる。
具体的テーマは以下とする。
1. 地方における資金ニーズの検証(地域の概念の整理とそこにおける資金ニーズ)
2. 中小企業基盤整備機構のファンド出資の実態と有効性
3. 新金融手法の有効性(ハイブリッドファイナンス、証券化など)
4. 地域におけるベンチャー支援施策への公的関与(政策金融機関の役割、地域金融機関相互の関連・競争など)
5. リレバンの深化に不可欠な手法(ソフト情報として知的資産、同経営評価など)
6. 地域における新たな取組み(住民参加型プロジェクト、金融NPO、介護ビジネスなどの民間資金導入スキームなど)
7. 海外の先進的手法の検討(レベニューボンドなど)
プロジェクト期間: 2009年3月10日 〜 2011年3月31日