Corporate Governance Japan / 日本の企業ガバナンス

本フォーラムは、日本のコーポレートガバナンスの現状や変化について最新の分析や議論の場を提案するものです。
(※本プロジェクトは、終了しております。)

更新情報

参考文献を更新しました。

  • Gregory Jackson. DTI Economic Paper No. 13
  • "Corporate Governance: An International Review"(Gregory Jackson,宮島英昭)2005年5月

コラム

014: 本型の企業の社会的責任と社会的責任投資とは

Arif ZAMAN

Arif ZAMANヘンリー・マネージメント・カレッジ研究員

東京電力、パルマラット、エンロン。これらの社名が今や企業による無責任さと同義語となっていることに異議を唱える経営者はいないだろう。事実、特に財界、行政部門、マスコミ、圧力団体にとって、「信頼性」はおそらく今最も差し迫った世界的に重要な課題である。それは2003年1月のダボス経済サミットでも重要課題であったし、また、政府のビジネス政策とその政策の実行にあたって、顧客や従業員や株主、そして地域社会からの信頼を得ることが幅広い文脈において重要視されていることからもうかがえる。企業の社会的責任と社会的責任投資は、その活動を広範な社会の期待に沿うものにする機会を提供する。しかしながら、それは表面的なものにとどまり、経済活動に浸透していないという見解もいまだ存在する。企業の社会的責任(corporate social responsibility, 略してCSR)とは、広範囲の情報開示と透明性を特徴とする商慣習を意味する。そこで企業は従業員や地域社会、環境に関して、進んで倫理的責任を果たすのである。そして企業は長期的な株主利益の維持だけを追求するのではなく、持続可能な社会的貢献をすることが重視される。社会的責任投資(socially responsible investment, 略してSRI)とは従来の財務指標に加え、安定した配当を見込みつつ、法の遵守や雇用慣行、人権の尊重、消費者の問題、社会への貢献度や環境への配慮などの社会的倫理的基準をもとに評価、精選した企業に投資することである。また、SRIには社会正義や地域貢献、株主の権利行使を目的とした資金供給という意味もあるのだ。

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