新国際情勢下における中国経済の課題と展望

講演内容引用禁止

開催日 2017年3月15日
スピーカー 孟 健軍 (RIETI客員研究員/清華大学公共管理学院産業発展・環境ガバナンス研究センター (CIDEG) シニアフェロー)
コメンテータ 関 志雄 (RIETIコンサルティングフェロー/株式会社野村資本市場研究所シニアフェロー)
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2016年、中国経済は景気下降の圧力を受けながらも経済成長率が6.7%に上り、速報値では、GDPは74兆4127億元(約11.1兆ドル、約1300兆円)に達した。当面、中国政府の政策運営方針は、引き続き国内の構造改革やイノベーションによる経済成長などを重点施策としている。しかし、イギリスのEU離脱やアメリカの大統領交代などによって国際情勢が一変し、中国政府も難しい経済運営の局面を直視しなければならない。2017年早々、習近平国家主席のダボス会議での基調講演(1月17日)や李克強総理のブルームバーグ(Bloomberg Businessweek 1月27日)への寄稿などは、世界中に中国のメッセージを積極的に発信している。今回のBBLでは、新しい国際情勢における中国政府の重要な施策などについてその課題と展望を解説する。

議事録

今年の経済状況と来年の見通し

孟建軍写真中国の昨年の経済状況を見ると、国内総生産(GDP)は74.4兆元、成長率は6.7%です。李克強首相は政府工作報告で、世界経済の成長への貢献率は30%以上であるとしています。消費者物価は安定していますし、雇用増も1000万人の目標に対して1300万人を達成しました。

さらに、GDPに占めるサービス業の比率は51.6%で、もはやサービス業中心の経済になっています。可処分所得は成長率よりも若干低く、6.3%です。現在、中国政府が最も重視しているのは貧困人口の減少で、2012年から毎年1000万人減らす目標を掲げています。昨年は中国の第13次5カ年計画の始まりの年ですが、貧困人口を1240万人削減し、生産能力の過剰も年々削減しています。計画としては良好なスタートを切ったといえるでしょう。

2017年の経済成長率の目標は、若干低めに設定して「6.5%前後」という言葉を使っています。「前後」なので、それよりも低くなる可能性はあります。ただし、李首相は政府工作報告の中で、「もっと良い結果を目指す」と言っています。

生産能力の削減は、2017年も引き続き重要な政策に位置付けられています。石炭は、今年もし1.5億t削減すれば、昨年からの2年間で12〜13%削減したことになります。石炭発電能力も5000万kW以上削減する目標を立てています。

また、不動産の在庫消化にも力を入れています。中国の都市には人口規模によって4つのレベルの都市がありますが、その第3と第4のレベルの都市(人口30万〜50万人)の都市で不動産需要を支援する施策を取るように、中央政府が地方政府を指導しています。

国有企業改革については、今年最も重要なキーワードは「軍民融合」です。今年は軍事産業と民間産業の融合がかなり進むと思います。現在は、民間技術の軍事転用などの構想がかなり具体化されている段階です。

ここ数年における中国の最大の特徴は、イノベーションによって社会が便利になった点です。新素材が開発され、人工知能、5G移動通信の技術が実用化されています。

貧困対策は中央政府の責任であり、中央財政の専門貧困対策資金は今年もさらに30%以上増加します。

幾つかの新概念

こうした中、中国では新たな概念が次々と出てきています。たとえば「デジタル経済とデジタル家庭」は、家庭の中に情報サービスを充実させるという意味です。

「全域旅行」は、国内の隅々まで設備やサービスを充実することです。1日に1000km以上、車で簡単に移動できる時代になり、全域旅行の増加に伴って国内需要が喚起されます。

そして、環境保護のシステムとして「河長制」を全面的に遂行しました。共産党の書記長と支部長を「河の長」に指名し、生態系保全のメカニズムを健全化させる制度です。

もう1つ重要なのは、農村土地の「三権分置」(所有権、請負権、経営権の分化)です。もともと中国の土地所有権は集団にあり、土地は地域の国有財産です。それが鄧小平の改革開放路線によって農家請負制となり、そして都市化が進んで農民が減少しました。そこで、規模的な経営を図るため、昨年後半にようやく法整備し、経営権を流動化できるようにしました。そうして請負権と経営権を分化された農民たちは、従来と同じ土地で働いて配当をもらってもいいし、経営に参加してもいいというふうに、システムが柔軟になりつつあります。

さらに、行政関連のネガティブ管理制度の導入です。李首相はこの4年で政府の自由裁量権を半分以上削減しました。しかし、もともと多いので、まだかなり残っています。市場の自由選択権拡大が進められており、とくに財政が絡むものは来年にかけて大きく変わっていくと思います。

中国製品に対する国内イメージの変化

中国人が中国製品に対して持っているイメージも、この10年で大きく変わっています。2007年の調査では、メードインチャイナとして誇れる製品は日用雑貨や服装が主でしたが、2017年は通信関連設備、航空宇宙関連設備、高速鉄道関連設備が上位に来ています。中国製品の特徴は「品質」の良さという意見が最も多かったことも意外でした。調査対象の90%は20〜40代であり、若い世代の中国製品に対するイメージは大きく変わっています。

そのなか、高速鉄道は、中国が独自に設計開発した時速400キロ台の新型高速車両CR400の実用化と量産化が実現されました。昨年6月にはブルーイルカとゴールドフェニックスと愛称される2つのタイプの新型高速車両がそれぞれ時速422kmの対面走行に成功しました。そして8月にハルビン-大連線で実際運行が始まりました。さらに、量産化が進むことによって「世界最長の高速路線」である営業距離2298kmの北京-広州間が今年2月25日、正式に導入されました。

経済成長速度の低下

とはいえ、中国の経済成長率は全般的に低下しています。その要因はいくらでも挙げられます。構造的な要因もあれば、経済発展の中で新たに出てきた要因もあり、さらに国際情勢との関連、少子高齢化、マネーの流出など、いろいろあります。

ただ、昨年11月に経済協力開発機構(OECD)が推計した2017年と2018年のGDP成長率見通しによると、中国はインドよりは低いものの、主要国の中でも割と高い方で、6.1〜6.3%です。

それから、中国の貿易依存度(GDPに対する輸出入額の比率)は、2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以降、ピーク時で7割ほどありましたが、今は3割前後です。昨年はまた若干下がって30%強です。日本も同水準の28〜30%ですが、アメリカは22%前後です。貿易依存度からみると、外部依存より国内経済がどんどん成長しているというイメージだと思います。

中国から世界へのメッセージ

中国は、今年1月17日と1月27日の2回に分けて、世界中に強いメッセージを発しています。

1月17日には、習近平国家主席がダボス会議に出席して、基調講演を行いました。演題は「共に時代の責任を担い、共に世界の発展を図ろう」です。その中での中国のスタンスは内向きではなく、アメリカとは対照的に、全世界に向けて自由貿易のネットワークを構築すると述べています。

実際に昨年末から、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に中国が入るかどうかという議論も国内で進んでいます。ダボス会議でのメッセージでは、自由貿易推進によって断片化されたグループを作るわけではなく、もっと大きな経済体制をつくるのであり、保護主義に断固として反対するという姿勢でした。

中でも習主席が最も重視しているのは「一帯一路(one belt one road)」の政策です。提起して以降の3年間を見ると、日本ではアジアインフラ投資銀行(AIIB)に入るかどうかというメカニズムの議論になっていますが、その背後で中国の国家戦略は進展がいろいろと見られています。まず、100以上の国と国際機関が支持を表明し、そして、一帯一路沿線の40以上の国・国際機関と協力協議書に調印しました。習主席の言葉を借りると、一帯一路は中国からの構想ですが、その成果は世界中に恩恵を与えるというイメージを描いています。

また、1月27日には李克強首相が、雑誌「Bloomberg Business Week」に「経済を開放し、世界を幸せにする」という題名で寄稿しました。1500字の非常に分かりやすい文章で、中国は開放と自由貿易を推進し、世界の安定の錨となり、成長の源になると宣言しています。

さらに、経済のグローバル化は、異論が出てきても敬意と平等の精神で議論すべきである、中国政府は市場介入を控えるといったメッセージも込められています。このメッセージから、中国がこれからの新しい国際情勢の中でどのような方向に向かうかを理解できると思います。

「一帯一路」戦略

「一帯一路」とは、習主席が自ら提起した陸上のルート「一帯」と海上のルート「一路」からなる経済圏構想で、国家三大戦略の1つにもなっています。2013年9月にインドネシア、10月にカザフスタンで行われた習主席の演説で提起され、11月に国家戦略に昇格し、翌年12月にシルクロード基金を設立しました。重要なのは2015年2月、張高麗筆頭副総理を中心に建設工作指導チームが設置されたことです。

2015年12月にAIIBを設立して以降は、第13次5カ年計画にも盛り込まれています。2カ月後の今年の5月13、14日には、北京で第1回の「一帯一路」国際協力サミットを開催します。現時点で二十数カ国の国家元首や政府首脳、五十数団体の国際組織の責任者も参加します。

エチオピアでは昨年10月に、中国の支援でアディスアベバ-ジブチ間の電気鉄道が開通しました。さらに、ケニアのモンバサ-ナイロビ間の鉄道がほぼ完成段階に入っています。このように、スピード感を持って構想が進められていて、私たちも追い付けないような状況で変化しています。

国際機関との協力では、国連開発計画(UNDP)と覚書を締結しているほか、中国国際経済交流センターが日本の経団連と昨年11月、一帯一路の構築などの重要プロジェクトを含め、第三国市場における協力推進などを確認した共同声明を発表しました。これには私たちも非常に賛成です。

2017年の展望

2017年は、新しい改革の準備の年であることは間違いありません。秋の共産党大会に向けて、さらなる成長の促進を目指しています。歴史的に見ると、鄧小平の改革開放以来、変革は中国政府の宿命です。中国が目指すところは、経済では「新常態」(安定成長)、政治では「良治」(良いガバナンス)という言葉に集約されると思います。

トランプ米政権誕生の影響

コメンテータ:
中国経済にとってリスク要因ともいうべきトランプ米政権誕生の影響と人民元の行方について補足します。

トランプ大統領が経済政策について語っている中で、中国経済への影響を考える上で重要なことが2点あります。

1点目は、国内政策では財政拡大路線を取るということです。歳入面では法人税を従来の35%から15%に切り下げます。一方、支出面ではインフラ投資を大幅に増やします。そうなると、アメリカの財政赤字はどんどん膨らむことになります。

もともとアメリカは、貯蓄と投資のバランスで考えれば常に外国から借金しなければならないので、財政赤字が増えれば相当部分の資金を海外から賄わなければなりません。この状況は1980年代初めのレーガン政権と似ており、「双子の赤字」の再来も懸念されます。

当時の世界の金融資本市場において、アメリカの金利上昇が原因となり、ドルが強い時代は1985年のプラザ合意まで続きました。ただ、前回の赤字をファイナンスする主役は日本とドイツでしたが、今回は中国に代わります。しかし、為替金利へのインプリケーションは恐らく変わらないので、ドルが対円でも対人民元でも強くなって、アメリカの金利は基本的に上昇すると思います。為替レートのインプリケーションに関しては明らかに、トランプ大統領の日本や中国に対して自国通貨を上げろという要求と矛盾しています。この矛盾がどう解けるかが注目点だと思います。

2点目に、トランプ大統領は全面的に保護主義を掲げています。1月20日の就任演説で印象に残ったのは、アメリカ経済が衰退している原因は、他国が不正的行為を行っていることによってアメリカの雇用を奪っているからだという言葉です。その対策としてアメリカファーストを掲げ、アメリカの製品を買い、アメリカ人を雇用すると、はっきり言っています。

一方、習主席がその3日前にダボスで行った演説はそれとは対照的で、トランプ大統領のスピーチと正反対のことを言っています。中国としては、グローバル化と自由貿易を堅持する、中国の経済発展は世界経済にとってチャンスであり原動力でもある、開放的で公平な環境づくりに努力する、各国とのウィンウィンの関係を構築するというスタンスをアピールしています。アメリカが孤立に向かう分、これからは中国がリーダーになる用意があることを宣言しているに等しいと思います。

一方、懸念すべきは、トランプ大統領が中国を為替操作国と認定していることです。また、中国からの輸入に45%という高い関税をかけると言っています。実現するかどうかは疑問ですが、米中間の貿易摩擦は避けられない雰囲気になっています。

しかし、私は楽観的な立場を取っています。なぜなら、ニクソン政権以来の歴代大統領は民主党、共和党に関係なく、就任後も中国に強硬策を取りますが、任期後半になるとビジネス界の影響力が出てきて軌道修正し、中国と仲良くしようとする方向に変わるからです。

今回は、政権後半まで待たずにもっと早く中国と仲良くするのではないかという雰囲気があります。とくに安倍晋三首相の訪米直前に、習主席とトランプ大統領の間で電話会談があり、トランプ大統領が「1つの中国」を認めたことをきっかけに、雰囲気がずいぶん変わりました。さらに、アメリカにとって中国は最大の貿易相手国であり、アメリカの対外赤字の半分近くが対中国です。相互関係が非常に深まっている中で、貿易戦争をしていられるかということです。

それから、1980年代のレーガン政権時代の日米貿易摩擦と、今後の米中貿易摩擦の共通点と相違点を整理する必要があります。

共通点は、当時の日本と同様、今の中国も世界第2位のGDP大国として急速に成長していることです。それから、当時のアメリカでは日本異質論がはやっていました。とくに、経済体制に関して日本が閉鎖的ではないかといわれていました。今のアメリカは、中国を経済面の違い以上に政治体制でも異質的と捉えています。

相違点も3つ挙げられます。1つ目は、当時の日米関係はまさに先進国の関係で、貿易がゼロサムゲームになりやすく、妥協しにくい関係でした。しかし、今の米中関係では、中国はまだ中所得国レベルにしか達しておらず、貿易の中身も中国はいまだ付加価値の低いものが中心で、アメリカの対中輸出は付加価値が高いものが中心です。よって、補完関係にあります。

2つ目に、当時の日本の対米輸出のほとんどは日本企業によるものでした。これに対し、今の中国の対米輸出は、相当部分がアメリカ企業によるものです。そうなると、表面上は米中摩擦でも、実は「米米摩擦」です。

3つ目に、日本から見て対米関係は同盟関係ですが、安全保障上はアメリカに頼らざるを得ず、何かアメリカから圧力があれば従うしかありません。しかし、中国とアメリカはそういう関係になっていません。貿易戦争が起これば、中国は抵抗手段を取れます。

私は、どちらかというと相違点の影響の方が強いのではないかと考えています。そうなると、当時のジャパンバッシングの政策とは違い、アメリカが本当に中国を為替操作国に認定することに踏み切るかどうかは疑問です。

人民元の行方

中国は2005年から管理変動相場制に移行しました。いまだに変動よりも管理の色彩が強いのですが、その頃から2014年半ばごろまで人民元は緩やかに上昇し、並行して中国の外貨準備も一方的に増えて、ピーク時は4兆ドルに達しました。

為替レートが強くなったことと外貨準備が増えたことの因果関係はありませんが、外貨準備がこの時期に増えた直接の理由は為替介入です。中国当局は人民元の上昇を容認するけれども、あまりにも早過ぎると国際競争力がなくなってしまいます。そうならないように人民元を売ってドルを買う介入が、2014年ごろまで続きました。それにより、外貨準備はどんどん増えたわけです。

その裏で、中国は長い間、「双子の黒字」を抱えています。経常収支だけでなく、資本収支も黒字だったのです。国際収支の恒等式から、この金額はちょうど外貨準備の増分に当たります。

もしアメリカが中国を為替操作国と認定するならば、中国が為替レートの上昇を抑えるために、積極的に為替介入を行っていた2014年までに認定すればよかったのです。ただ、2014年以降は為替レートが下がるとともに、外貨準備も減っています。外貨準備が減った直接の理由もまた為替介入であり、今度はドルを売って人民元を買い支えました。中国がそういう介入をしなければ、人民元はもっと大幅に下がったはずです。それと並行して、対外収支で大きな変化が起こりました。経常収支は黒字のままですが、資本収支は大幅な赤字になりました。

人民元がこの2年で下がったのは、貿易を中心とする経常収支が悪化したからではなく、資本収支が赤字になったからです。資本収支の動向は、人民元がいつ持ち直すのかを考える上で最も重要なポイントだと思います。

トランプ政権の誕生を併せて考えると、昨年11月に選挙結果が出た段階からドル高が進み、人民元も対ドルで少しは下がっていますが、それ以上に円が大幅に安くなっています。

興味深いのは、円安になれば株が上がりますし、日本経済にとっては万々歳なのですが、中国では元安が、1997〜1998年にタイやインドネシアで起きたような金融危機のきっかけになると懸念されていることです。ただ、中国はタイやインドネシアと違い、いまだに純債権国です。為替レートが下がったからといって、対外債務の返済負担が重くなり、通貨危機が金融危機に発展する可能性は小さいと見ています。

そうはいっても、資本流出を止めないと人民元安は止められません。資本流出の原因の1つは、元安が元安の期待を通じて資本流出に拍車をかけることです。元安と資本流出という悪循環を断ち切らなければなりません。もっとも、人民元が均衡水準まで下がれば、期待も変わっていくでしょう。最近の輸出回復と、外貨準備が減らなくなってきた状況から考えて、昨年のような大幅下落はないのではないかとやや楽観的に見ています。

質疑応答

Q:

5年先、10年先、中国は航空機を自分たちで造るという方向性に向かっていくのでしょうか。航空ネットワークの世界的な拡大はどのような方向に向かうとお考えですか。

A:

中国政府が航空機産業を高速鉄道と同じように育成していくことは間違いありません。ただし、海外から輸入しなくなることはあり得ません。なぜなら、中国は今後十数年間で少なくとも6000機が必要だからです。中国商用飛機(COMAC)などの民間会社を育成するとともに、ボーイングなどの工場も中国に造らせています。航空ネットワークについては、COMACのARJ21という日本のMRJと同じようなものが既に昨年6月から、上海と成都の間ですでに運航されています。まだ生産能力の問題もありますが、これから恐らく拡大していきます。また、最大190人乗りのC919中型機も近々テスト飛行が始まります。

Q:

軍民融合が進むと、共産党独裁によるコントロールが難しくなっていくと思うのですが、これからどうなっていくとお考えですか。

A:

党を選ぶか、国を選ぶかという問題に集約すると、答えはなかなか難しいのですが、方向性としては、習主席がチャイナドリームを提起した以上、軍民融合はかなり断固たる姿勢を示していると思います。

軍事外交面における指導部のスタンスを表す言葉に「戦略定力」があります。守るところは守るということで、安定感を守っていくことも中国政府の非常に重要なキーワードとなっています。

コメンテータ:

国有企業をどうするかという問題があります。市場経済を目指す以上は、その割合を減らさなければなりません。朱鎔基時代の1999年に民営化に関する方針が立てられ、4分野以外は規模に関係なく大型企業も含めて民営化していいということまでは決定されました。例外とされたのは、国家の安全に関わる軍事関連、インフラ関連、自然独占型の産業(電力など)、基幹産業における一部のトップ企業です。これは常識的に考えれば、西側と何ら変わりません。そのまま実施すればいいのですが、もうすぐ20年がたとうとしている中で、やはり民営化が大型企業にはまだ及んでいないことは、非常に残念です。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。