IoT・ロボット化された住環境およびその標準化について

開催日 2016年12月15日
スピーカー 谷川 民生 (特定国立研究開発法人産業技術総合研究所情報・人間工学領域研究戦略部研究企画室長)
モデレータ 安田 篤 (経済産業省製造産業局ロボット政策室長)
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開催案内

本BBLでは、センサやアクチュエータと言った個別のIoT/ロボットの要素技術を住環境に分散配置することで、住環境自体をロボット化し、居住者にサービスする環境型ロボットシステム(ユビキタスロボティクス)の研究に関する紹介を行う。また、本コンセプトを実用化するためには、技術開発だけで無く、標準化を整備することも重要であり、その標準化活動についても、合わせて紹介する。

議事録

サービスロボット実現に向けた研究の方向性

谷川民生写真私は現在、産業技術総合研究所(産総研)でInternet of Things(IoT)や人工知能(AI)の各ユニットを統括していますが、もともとはロボットの研究をしていました。私の研究は住宅そのものをロボット化できないかというところから始まっていて、主に2次産業で発展してきたロボットをサービス産業にシフトさせる研究をしてきました。

ロボット研究の方向性として、高いインテリジェント性やいろいろな機能を1つのロボットに集約して、人間のように何でもこなすロボットを作るというものがあります。その典型例がヒューマノイドです。もう1つ、ロボットの全ての機能を一体に集約しなくても、外部環境との連携することでロボットサービスを提供する方向性もあります。私は後者の、環境とロボットを融合し、ロボット自体のコストを下げて、ロボットを低価格に提供できるビジネスモデルを目指しています。

ロボットのシステムとして、昔は1つのコンピュータでいろいろなセンサーを統合制御するのが一般的でしたが、今のロボットはアクチュエータやセンサーなどにそれぞれCPUが積まれていて、それが内部でネットワークを介してつながっているだけです。すなわちアクチュエータやセンサーなどの各ロボット要素部品について、部品間の通信環境が良ければ一体型である必要性は薄くなるため、各要素を部屋や建物などの外部環境に分散させることができるのです。

たとえば、ロボット本体の目で認識しなくても、天井などに設置しているカメラにネットワーク接続し物体を察知することも簡単にできますし、その方がロボット自体のコストは下げられると思います。これを環境のロボット化といい、基本的には住宅そのものをロボット化するのと同じです。

ロボット化された住環境

住宅のロボット化は、従来のホームオートメーションと同じ考え方です。高度なAIを積んだロボットでなくても、ネットワーク機能さえあれば、外部のホームサーバの部分に積んだAIを使ってロボットを知能的に制御できます。その方がヒューマノイド1体にすべて機能をまとめるよりもコストを抑えられることからビジネスにつながりやすいと思います。ヒューマノイドのようなロボットは、環境を構築できない災害用や極限作業などに使うほうが、ビジネス的には適していると思います。

つまるところ、センサーやアクチュエータを環境側に設置しネットワークでつなげばいいのですが、住宅なのでライフスタイルの変化に対応したシステムとして、適宜変化させていかなければならないことが難点です。いろいろなフェーズでさまざまな形態のシステムが必要となるので、適宜変化させられるフレキシブルなシステム化技術が必要になります。

それから、システムの安定性が必要です。24時間休み無く、安定に動作していなければなりませんし、仮に、不具合が起きたときにも、どこがおかしいのかを常に把握できるシステムの見える化が求められます。住宅は1つのメーカーが全部造るわけではなく、ガスや電気、家電などいろいろなメーカーの機器が導入されるので、標準的なネットワークがどうしても必要になります。

そこで、産総研では、すでにロボットのシステム開発のための、システム改変を容易に可能とするRT(Robot Technology)ミドルウェアを開発しており、こちらを活用しました。RTミドルウェアは、あるメーカーがロボットを全て一括で作るビジネスモデルではなく、標準のネットワークプロトコルを決めて、頭や腕といったロボット要素を簡単に組み合わせることができるようにするシステム化技術の1つです。これを使うと、メーカー自身の持っていないロボット要素は、他のメーカーから購入することで、ベンチャーなどの小さなメーカーでもロボットを組み立て販売できることになります。各パーツをインテグレーションしやすくする仕組みさえあれば、ベンチャーにもロボットビジネス参入の道が広がるでしょう。

これは住宅でも同じことがいえます。各コンポーネントがネットワークを介してつながるだけなので、いちいち配線する必要がありません。また、それぞれが独立・分散して動いているので、どれかがトラブルを起こしてもシステム全体を再起動せずに、トラブルのある要素だけ再起動することで、システム全体を落とすことは必要ありません。

住宅実証RTシステムの構築

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は平成20年度から3年間、「基盤ロボット技術活用型オープンイノベーション促進プロジェクト」を実施し、生活環境のロボット化を進めました。プロジェクトの趣旨はロボットのいろいろな要素部品をつなぐ通信モジュールを作ることで、住宅を対象に、ネットワーク化してロボットと同じようなサービスを提供することに主眼を置きました。

構築する住宅実証RTシステムとして考えたコンセプトは大きく2つで、1つは光熱費低減を目的とした住宅内空調システムです。工場などの産業系は非常に努力してエネルギー使用量を下げていますが、一般家庭はどんどん上がっているので、省エネのためにRTを活用することを考えました。もう1つはインテリジェント・ウィンドウシステムで、安全上一番のウイークポイントになる窓に着目し、安心・安全な住宅にすることを考えました。

断熱性を極めて高くすれば家の中は快適な温度に保たれます。魔法瓶のように窓のない家にすればそれは実現できますが、やはり窓は必要です。そこで、暑くなったらエアコンをつけるのではなく、まずは、RTを使って外からの風を積極的に入れるように窓の開閉を制御し、それでも駄目ならエアコンをつける形にすれば、今までよりもエコな家が造れます。

われわれは、実験室内にモデルルームを構築しいろいろなものを制御できる仕組みを開発しました。RTミドルウェアを使って、窓やエアコンのコンポーネントがそれぞれ連携して動くようにし、かつ安定に制御できる住環境を実現しています。ポイントは、ユーザーが希望するコントロールを全てソフトウエアベースで改変できるので、システムのカスタマイズがしやすい点です。見た目はロボットのようではありませんが、ユーザーがアレンジしていろいろとチューニングできることが1つの成果です。

障がい者向けの住環境モデルの構築

厚生労働省のプロジェクトで、障害者が自立して住みやすい住環境モデルを構築した事例を紹介します。基本的な考え方としては、あるサービスを提供するとき、モジュール単位で組み合わせて実現するということです。たとえば実用化されている代表的なサービスロボットである「ルンバ」を機能で分散させると、掃除機と自律移動の機能に分かれます。それと同様に、ばらばらにしたロボットのパーツをモジュール化し、組み合わせて障がい者向けのサービスを提供しようというものです。

また、障害に応じたサービスを提供する仕組みにするために、ユーザーに合わせてカスタマイズできる仕組みを住宅の中に取り込みました。まず、移動機能としてアクティブキャスターを開発しました。机や椅子に付いているキャスターにモーターが入ったようなイメージです。このようにキャスター単位でモジュール化すると、サービスに応じてカスタマイズしやすくなります。たとえば重い物を運ぶには当然出力も必要なので、アクティブキャスターを多く付ければ強力な移動台車ができます。一方、予算がなければ取り付ける数を抑えればいいので、コストと機能の仕様に応じて、バランス良くカスタマイズできるのがポイントです。

簡単な事例は、食品カートです。カートにアクティブキャスターを両面テープで貼り付けるだけで、遠隔操作が可能なロボット食品カートがすぐに作れてしまいます。このようにして住宅環境にアクチュエータを入れ込んだ障害者向け住宅を考えてみました。

アクティブキャスターの他にも、それを操作するいろいろな要素部品が必要になりますが、赤外線リモコンの要素やジェスチャー認識、音声入力の装置は既に産総研で開発されていたので、それらをRTミドルウェアを使ってつなげただけです。ですから、全ての要素を開発したわけではなくて、既に開発されていた要素をRTミドルウェアという標準を介して組み込んだだけです。

ニーズを調べてみると、車いすで生活する障がい者にとって、家具が非常に邪魔なので、家具を動かせるシステムも作りました。しかし、この仕組みは万人の障がい者に当てはまるわけではないので、各人の望みに合わせてカスタマイズできる仕組みになっている点もポイントです。また、いきなり、たくさんのセンサーを付けて全体を「スマート住宅」にすることも可能ですが、当然コストもかかります。このシステムでは、「今回はボーナスが出たのでこれだけ付けよう」という、コストと必要に応じたカスタマイズ性があることが、ビジネスとしては非常に重要だと思います。

このように、この事業では、技術的には非常にうまくいったように見えるのですが、結構難しい問題がどんどん出てきました。なぜなら、実際にビジネスにする際は、企業としては自社製品の責任の分界点を明確にする必要があるからです。たとえば家のインターネットにセンサーが付いたとします。他にもテレビをネットで見るなどしてネットワーク負荷が上がると、システムが全てダウンする可能性があります。そのときに、何が原因でダウンしたか分からなければ、誰が責任を取るのでしょうか。このようなシステムでは、企業はリスクが高く、売るための自社の認証が得られません。

先ほどの涼風制御システムも実用化されたのですが、当初目指していたネットワークを介したシステムにはならず、スタンドアローンなシステムになってしまいました。技術はあっても、責任分界点を明確にする仕組みがないと、本来の意味のスマートハウスにつながらないことが分かりました。

IoT社会におけるスマートハウスの位置づけ

今後、IoT(モノのデジタル化・ネットワーク化)が急速に拡大すると、製造プロセスやモビリティ、スマートハウス、健康・医療、インフラなどからいろいろなデータが出てくるようになります。それをビッグデータ化し、解析して相互に連携してサービスを向上させることが、政府が打ち出している「Society5.0」(超スマート社会)の1つの形と考えられています。

データ連携が進むには、各業界をつなぐ横串のビジネスモデルが必要ですが、業界はほぼ縦串で構成されています。ここで、一番データを得ることができる業界は、人々が一番長い時間過ごす住宅です。すなわち、ネットワーク化されたスマートハウスが実現できれば、暮らしのデータが全て集まってきます。それを交通システムへ活用したり、医療・介護との連携に活用したりと、他の業界で利活用できるデータとして大いに期待できます。その意味で、スマートハウスはビッグデータの軸になり得ると思います。問題は、それをどう社会実装するかです。そこで、われわれは、社会実装の仕組み作りとして、標準化のプロジェクトを始動させました。

AppleやAmazonなど海外の情報関連企業も、次のターゲットとしてデータが集まる住宅にアプローチしはじめています。彼らが目指しているスマートハウスは、家がスマートフォン化したものです。サービスするアプリがたくさんあって、そこにガジェットと呼ばれるハードウエアがあるイメージです。スマホは全地球測位システム(GPS)や振動センサーなどを使っていろいろなアプリを実現していますが、住宅に組み込まれるハードウエア製品には、もう少しいろいろなものが出てくると思います。

しかし、住宅をスマホ化する上で非常に大きな問題が1つあります。今までのスマホは基本的に情報サービスだけなので、アクチュエーションがなく、多少バグがあっても、大きな問題にはなりません。しかし、アクチュエーションのあるものだと、ソフトウェアにバグがあると、物理的サービスですから、事故の度合いが大きくなります。スマホのようにソフトウェアを後からアップデートすればいいやということではありません。

スマートハウスのデバイスには既にいろいろなものが出ていて、個々には安全基準がしっかりありますが、それらがネットワークを介して連係動作する際の安全性を担保しているわけではありません。全体のシステムの安全性が担保できない状態になっているのです。そこをクリアしないと、メーカーが安心してデバイスを提供できる仕組みにはならないと思います。

たとえば、空調システムが温度センサーによって窓を開け閉めするのと並行して、火災感知システムが温度センサーによって監視している場合があります。火災感知システムが「熱いから窓を開けろ」と言っているのに、空調システムが「暑いから窓を閉めろ」と判断して窓が開かずに火災が起きた場合、誰の責任になるのかという話になります。

システムが複合化することで、コンフリクトが起こるのです。ですから、ある程度基準を決めてプライオリティを明らかにしておかないと、社会実装はできません。スマートハウスは住宅なので、車と違って運転免許はありません。老人や子どもといった誰もが使う可能性があるので、提供する側が安全に対するガイドラインをしっかり作らなければなりません。

そこで必要とされるのが「機能安全」です。たとえば鉄道と道路が平面交差する場合、何も対処しないのは「不安全」な状態です。立体交差にして「本質安全」にする方法もありますが、警報機や遮断機を設置して制御することで、ある程度の安全は保証できます。危害が発現しても、そのリスクを見極め、極力安全を確保しようという概念、それが「機能安全」です。

この「機能安全」という概念を、住宅に取り入れていかなければならないと考えています。機能安全の規格は自動車や医療、原子力などいろいろあって、最近はロボットについても整備されました。しかし、住宅にはまだないので、きちんと作り込むことが必要です。

今年度、経産省の協力を得て、「IoT社会実現に向けた住宅設備連携における機能安全に関する国際標準」を提案しています。あまりに安全基準を厳しくすると制約になるので、バランスを考えながら作っていこうと考えています。最初は、住宅設備を利用するユーザー側である住宅メーカーをうまく取りまとめてから、住宅設備メーカーや電機メーカーをどんどん取り込んで、大きな形で標準を作っていきたいと思っています。

特に住宅業界は、少子高齢化で新築販売がどんどん落ち込んでいます。極論を言えば、住宅は無料で提供し、住宅内の生活データで、居住者に暮らしをコンシェルジュすることでビジネスをするぐらいの気持ちで、物売りではなく、事を売るというビジネスモデルにハウスメーカーがシフトしていけば、住宅自体のコストも下がります。そういった仕組みを作りながらビジネス化できればと考えています。

実装側からのアプローチ

ロボット分野は、技術がいくら優れていても、コストの面で実装までいかないことが多いのです。日本の自動車は、ビジネスモデルが既にあったところに、日本の技術力を活かして強くなっていったのだと思います。もともと自動車のビジネスモデルは欧米が持っていて、そこに日本の技術で安くていい製品を提供できたから、日本の自動車ビジネスは発展したのです。日本が自ら自動車のビジネスモデルを作ったわけではありません。一方、ロボットは新しいビジネスを作らなければならないのですが、単に高性能なヒューマノイドができたというだけではビジネスは生まれません。

いろいろな技術は開発しなければならない一方で、どういう社会を作りたいのかという観点から見てこういう仕組みや技術が必要だと考えて開発しないと、なかなかビジネスには進まないと思います。新しいビジネスは、社会実装の側から考えて、標準化やコスト面からこういう技術が必要だという考え方で進めていくことがポイントです。

たとえば、今は農業も非常に重要なポイントになっています。しかし、農業には今まで人による仕組みしかなく、ビジネスモデルも国内のマーケットが中心なので、まずどういう農業の形態にしていくかを考えて、それにはこういう機械化やAI化が要るといったバックキャストの考え方が必要になります。ですから、農業のロボット化も同様に難しい課題です。

産総研ではいろいろな技術を高めていますが、実装から実証の間は、社会学などいろいろな観点から見ていかなければならないので、社会の側から見て研究しているRIETIの方々と一緒に、ビジネスモデルを作っていくことが重要だと思います。

質疑応答

Q:

スマートハウスとスマートグリッド(次世代送電網)との関係はどうなっていますか。

A:

スマートグリッドとは、当然、連携していかなければならなくなっています。システムをどんどんつなげていって、住宅のロボット化から、さらには社会のロボット化を進めていくべき面はあると思います。

今はスマートメーターが徐々に浸透してきています。もともとはエネルギーの観点から生まれたものですが、スマートメーターをベースに住宅のネットワーク化に持っていけると思います。ただ、そのためにはエネルギーというメリットだけでなく、そのほかのメリットのあるサービスが複数あることが、ビジネスとしては必要です。そこに見守り機能も入ってくると思います。その際は、居住者にサービスする業者が複数になるので、誰が取りまとめをするかがポイントになります。そこはハウスメーカーに何とか頑張ってほしいのですが、まだ時間がかかると思います。ただ、技術的にはスマートメーターを1つの軸として、住宅のネットワーク化やロボット化が進められると思います。

Q:

GoogleがAndroid系のOSを使ってIoTで家電も全てつなげようとしていて、先にやられてしまう可能性が強いのではないかと思うのですが、その辺についてはどうお考えですか。

A:

Google Homeは情報的なサービスだけでやっているので、どこかで危険な部分が出てくるのではないかと思っています。そもそもGoogleはハウスメーカー的にインテグレーションするわけではなく、部品やプラットフォームを提供するだけなので、うまくいくとは思いません。

そういうことをするのであれば、日本には総合住宅メーカーがちゃんといて、1つのパッケージングで家を造れるので、日本は国内だけでなく、海外にもっと展開するべきだと思います。総合住宅メーカーであれば、住宅全体のシステムの責任をしっかり負えますし、フォローもできます。

Q:

スマートホームで集められたいろいろなデータのプライバシーやオーナーシップの問題はどうなりますか。

A:

データは誰のものなのかという議論はされていると思います。ただ、それは最終的にユーザーがどう考えるかなので、お客さまにどういうサービスを提供する、そのときにはこういうデータが必要だということを、契約に基づいてしっかり確認するべきだと思います。サービスのメリットとプライバシー公開のデメリットは、ユーザーに判断させるべきだと思います。

Q:

空調や床掃除は比較的ロボットに置き換えやすいですが、家事は非定型なことの塊なので、家庭のニーズはもう少し先にあるのではないかと思います。到達できるとお考えですか。

A:

要は、ある機能とある機能を組み合わせて行う、間の部分が非常にポイントです。洗うのは食洗機で済ませて、食器を片付けるのが大変だという場合、そもそも片付ける理由があるのかという考えもあるわけです。つまり、今までのライフスタイルをそのままロボット化するのは非常に難しいのですが、ロボット化しやすい住宅やライフスタイルに変えてもいいわけです。洗濯物を片付けるにしても、家庭の中に自動倉庫があって、着たいときにロボットが自動的に出してくるのであれば、片付ける必要がないわけです。その方が仕組みとしてやりやすいかもしれません。

介護現場でも、業務分析でロボット化しやすい作業と無理な作業に分けて、無理な作業についてはロボットに適した仕組みに変えていかないと、ロボット化は難しいのではないかと思います。技術が進歩することも重要ですが、コストも上がるので、そことのバランスだと思います。

モデレータ:

標準化のスコープは安全だけでいいのでしょうか。

A:

確かに安全は重要です。安全がないと責任分界点がないので、企業が入り込めないと思います。ただ、安全を保証したからといってビジネスがすぐにできるわけではありません。そういう意味では、住宅よりも先の、データでのビジネスになるので、住宅の分野を超えた横串のビジネスモデルを作ることが重要だと思います。業界任せのデジュールでいくのか、市場で広く受け入れられるデファクトでいくのかという問題があると思いますが、そこはそのフェーズにいってみないとなかなか難しいと思います。

ただ、それを戦略として使えるケースもあります。とくにドイツは標準を作ることで外から入られないようにしています。日本には住宅をうまくインテグレーションするメーカーがあるので、安全をしっかり守った家を提案できますが、海外はそういうメーカーがないので、入り込めない面があります。そこをうまくビジネスに持っていく戦略もあるかと思います。その先はまだいろいろあるとは思うのですが、オープン・クローズ戦略を取って日本が有利にビジネス展開を進めていくことが必要だと思います。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。