経済成長戦略推進のための我が国損害保険市場の改革

開催日 2016年10月28日
スピーカー 三宅 正太郎 (元帝京大学法学部教授)
スピーカー 佐野 圭作 (JEIBジャパン株式会社代表取締役会長)
スピーカー 林 康夫 (元中小企業庁長官)
モデレータ 福本 拓也 (経済産業省経済産業政策局産業資金課長)
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開催案内

近年、ビジネスを取り巻く環境は大きく変化し、ビジネスリスクは増大している。これに伴って企業の損害保険の付保も拡大せざるを得ず、その負担する損害保険料も急増している。しかしながら日本の損害保険市場は欧米に比して著しく非競争的なこともあって、顧客である企業が適正な保険料を享受する機会を失っているのが現状である。
我が国においてより競争的、効率的な損害保険市場を実現し、企業の的確なリスクカバーを適切な負担において可能にすることは日本企業の国際競争力を強化するために不可欠の要素となっている。
このため、日本の損害保険市場における規制の緩和、企業自身の内部統制上のリスクマネジメントの強化等について考える。

議事録

損保市場改革の背景

林康夫写真林:
我が国における岩盤規制の中で、損害保険市場はかなり大きな部分を占めています。損害保険業界は規制緩和が非常に遅れた業界であり、その最たるものは保険仲立人(ブローカー)に関する規制です。欧米では、仲立人は顧客と保険会社をつなぐ中心的な存在と位置付けられています。

日本の保険業法上、仲立人が解禁されたのは1996年ですが、解禁に当たっては保険会社の利益が色濃く反映されていて、仲立人の設立や業務の継続・拡大が非常に難しい制度になっています。本来、仲立人の役割は、全ての保険会社から独立して顧客の依頼を受けて複数の保険会社と交渉し、顧客に最も有利な保険を提案し、選択してもらうことです。しかし、このような仲立人の活動により保険会社は競争させられるので、かなり警戒した形跡があります。

まず、仲立人の設立には2000万円(当初は4000万円)の保証金を積むことが義務付けられています。また、過去3年間に稼いだ手数料分を保証金として毎年積む義務が課せられました。顧客を増やせば増やすほど多くの保証金を積まなくてはならないので、業務を拡大する上で非常に大きな支障になります。当時の保険制度審議会は、保証金を義務付ける理由を「仲立人が不法行為をして顧客の利益を害する可能性があるため」と説明していますが、弁護士や税理士には義務付けられていませんし、仲立人は弁護士や税理士同様賠償責任保険を掛けて損害補償に対応しています。欧米でも仲立人は賠償責任保険のみで対応しています。

さらに、仲立人は顧客から労働の対価である手数料を直接受け取ることが禁じられており、保険会社から受け取らなければなりません。これも恐らく、保険会社が仲立人を保険代理店同様、直接支配下に置くことを狙いとした制度で、仲立人の独立や拡大を阻止するためにつくった制度かもしれません。

日本の企業が損害保険料の高コスト化につながるこのような保険秩序を受け入れているのは信じ難いことです。企業を取り巻くリスクは増大し、保険料が急増しているとの認識は企業自身は持っていますが、保険会社主導の下、機関代理店(自社内に設立したインハウス代理店)に保険を丸投げしているケースが多いのが実態です。

私は、企業に対して、なぜ複数の保険会社に当たらないのか、保険会社に競争させないのかという質問を発しました。「保険会社は当社の有力な株主だから」、「インハウス代理店に、先輩、同僚が勤めているから」といった理由を挙げる企業がありましたが、、「たかだか数%の株主のために大多数の株主の利益を犠牲にするのは問題ではないか」、「先輩が天下っているから高い保険料を払っても仕方がないというのは問題ではないか」と指摘してきました。この問題は株主代表者訴訟に取り上げられる可能性もあり、放っておくのは経営者にとってリスクといえます。

日本の企業にも、社内に非効率な代理店を持たず厳しい経営をしているところがかなりありますし、新たに仲立人を使って保険料を20〜30%節約したところもあります。保険料が国際競争上かなり重荷になっている現在、保険料の20〜30%はばかになりません。

欧米から見た日本の保険市場

佐野圭作写真佐野:
私は30年前に独立して、イギリスで日系初の保険ブローカー会社をつくりました。海外から日本の保険業界を眺めると、過去20年の間大きな変化はなく、無駄に保険料が海外に流れていくことに耐え切れない思いがあります。

日本の損保会社は資本力があるので、小さなリスクは自社で保有できますが、巨大リスクは判断が難しいため再保険でヘッジングを図っています。

一方で資本力のある大企業では、数億円規模の事故であれば自社内で対応できますが、数千億円規模になるとバランスシートに影響しますので保険を利用します。

日本企業の多くでは、保険は総務部が担当していますが、欧米では基本的にバランスシートに責任を持つ財務部やリスク判断の企画部門が担当します。リスクマネージャーが企業全体のバランスシートを見た上でリスクに対する保険を考えており、その彼らのそばでアドバイスするのが仲立人の役割です。

日本の再保険料の収支を見ると、2015年の海外への出再保険料(保険会社が他の保険会社に支出する再保険料)は5662億円で、このうち事故などで回収されたのは3387億円です。つまり、再保険を引き受けた海外再保険会社は、40%近い大きな利益が取れているわけです。

このような状態なのは、日本に再保険を引き受けてくれるマーケットがないからです。日本は世界で2番目に大きい損害保険市場ですが、そのリスクを分散するマーケットがありません。なぜ膨大な流動資産を持った日本企業がその資本力を使って再保険会社をつくらないのかと思います。

日本の大きな代理店は手数料率も高く大きくもうけていますが、小さな代理店は保険会社が上から目線で手数料率を下げるなどして押さえており、廃止か合併させられています。十数年前まで六十数万店あった代理店は、現在20万店までに減っています。

イギリスにおける仲立人の役割

イギリスでは代理店の活動はゼロに等しく、4000〜5000社の仲立人で全案件を取り扱っています。仲立人がほとんどのリスク内容をお客さまから詳しく聞いて保険会社のアンダーライターに持っていくので、日本の保険会社の様に数万人に及ぶ営業マンが要りません。

斯様にブローカー(仲立人)は経営効率を高めてくれます。仲立人は保険会社から手数料をもらうのではなく、大口契約のほとんどはフィー制度で、顧客との間で手数料を決めます。日本では、たとえば10億円の保険料の場合、平均手数料が20%とすると平均2億円の手数料が代理店に入ることになりますが、英国の仲立人は保険料10億円の案件を扱っても、5-7%(5-7000万円)が一般的なフィーです。日本の海外現地法人では、この様に膨大な手数料の節約を図るのが通常です。

それから、最近国内の保険業務に外資からの圧力が現在あまりないのは、再保険他で膨大に外資系のブローカー(仲立人)は儲けていますので、下手に日本の保険マーケット(保険会社)をたたけない訳です。日本の保険会社のマーケットをたたけば、彼らは既得権を外されてしまいます。

われわれは、やればやるほど真綿で首を絞められるようなものです。それはお客さまにサービスしているブローカー(仲立人)の手数料はお客さまではなく保険会社が全て決めてしまい、保険会社がブローカーの首根っこを押えてしまっています。揚げ句の果てに、稼いだ手数料の3年分が保証金として金融庁に積まなければならず、これでは小さい会社はやっていけません。したがって新規に仲立ち人になろうとする会社は殆ど無ありません(何故3年分もの金を最大8億円まで積まなくては成らないのか数字の根拠も全く無い)。

もう1つ、仲立人の存在が大きいのは、事故が起きたときの難しい法律闘争です。弁護士業務はできませんが、保険約款上の事故処理に関するアドバイスは、イギリスでは仲立人が通常アドバイスを行います。事故が発生するとお客さま側に立って保険会社との条件闘争を行い、クレームに関するアドバイスも保険の約款内容を詳しく知っているわれわれが適切に行います。とくにグローバルのビジネスに関しては、仲立人は大いに役立っています。

マーケットの改革の方向性

三宅正太郎写真三宅:
われわれ保険市場研究会は、我が国の損害保険市場が競争的なマーケットになっているかどうかという観点からアプローチしました。結論から言うと、非競争的なマーケットです。

その原因の1つは、多くの企業で機関代理店といわれるインハウス代理店を有していることです。確たる統計はありませんが、上場企業の8割が有しているともいわれています。しかも、多くの場合「能力のない」1〜2人が企業内の代理店の世話をしているのが現状で、そういう代理店に対して保険会社の営業職員が手厚いサポートをすることで成り立っています。「能力がない」といっても、代理店の担当者は代理店試験に合格して登録しているので能力は証明されていますが、大企業の保険を取り扱う能力には疑問が生じるわけです。

原因のもう1つは、保険仲立人制度に過重な業務規制が課されている結果仲立人制度が発展していないことです。保険業法は、公正なマーケットの確立と保険契約者の保護の両立を図ることを目的としていますが、保険契約者の保護を貫く余り、過重な業務規制が仲立人に課され自由な競争や公正な市場が生まれにくい状況になっているといえます。

こうした状況を改善するためには、まずマーケットの改革が必要です。つまり、代理店と仲立人それぞれの特質に応じた業務を正々堂々と行い、仲立人と代理人が衡平に競争できるようにすることです。

加えて、企業経営者のリスクマネジメント(特に損害保険契約)に関する意識の変革も必要です。企業経営者は機関代理店を通じて保険会社に任せておけばいいというのではなく、自社の機関代理店の在り方を見直すことが喫緊の課題といえます。

現状は、機関代理店が保険会社1社とのみ契約している場合が多く、各機関代理店毎に分断された市場となっています。複数の場合でも、その中で主たる保険会社が存在しています。保険業法では代理店の登録申請は代理店本人が行うことを原則としているものの、保険会社が代理申請できる制度があり、現在は保険会社が全て代理申請する形になっています。つまり、代理申請保険会社が実質的にコントロールしているのです。

われわれが理想とする競争的なマーケットは、企業が複数の代理店、仲立人からオファーを受け、その中からベストの保険を選択するというものです。

損害保険市場の特殊性

損害保険市場が特殊なのは、まず原価構成が極めて複雑な点です。顧客が支払う総保険料(営業保険料)は、リスク保険料と付加保険料で構成されます。リスク保険料は純保険料とも言い、被保険物件等のリスクをヘッジするための保険料で、損害が発生した場合の支払保険金の原資として積み立てなければならない部分です。付加保険料は、保険会社の人件費や広告宣伝などの経費、利潤、代理店または仲立人の手数料の合計です。これらをまとめて総保険料として保険会社が受領する仕組みになっています。

また、プロフェッショナルな保険会社と保険知識に乏しい企業(顧客)との間に、知見・情報の格差があるのも特殊な点です。これを経済的な分野では「非対称性の存在」といいます。

そして、その格差を埋めるために、保険仲介者(損害保険代理店や保険仲立人)の存在と両者の機能の充実が必要であることも、損保市場の特殊性といえます。

損害保険代理店と保険仲立人

代理店と仲立人は法的な性質が異なります。したがって、厳密には代理店を保険会社の代理人であり仲介者とはいえないのですが、経済学的には損保会社と顧客の間を結ぶ者として仲介者と呼んでいます。

代理店の場合、損保会社と代理店委託契約を締結し、その損保会社の保険を顧客のニーズに応じて提供します。ニーズが合致して適切な保険があれば損保契約を締結することになりますが、代理店は契約締結権限を代理する権限を持っているので、代理店と顧客の間で契約を締結することができます。

顧客が総保険料を代理店に支払うと、代理店は保険会社に送金し、保険会社が内部で調整して代理店手数料を代理店にキックバックする形になっています。これは保険会社と代理店間の代理契約に基づく手数料の支払いですので、保険会社から受け取るのは当然です。

一方、仲立人の場合は、まず顧客から保険契約締結のための媒介契約の依頼を受けます。仲立人は数社の保険会社の商品契約を調べて顧客に提供し、顧客と協議の上、契約を成立させるわけですが、そのとき仲立人は契約関係者としては入らず、損保会社と顧客が契約を締結します。同時に、保険料は仲立人を介さず、顧客が損保会社に直接支払い、損保会社がそこから仲立人に媒介手数料を支払います。仲立人の手数料は本来は顧客と仲立人との契約関係ですから、顧客と仲立人で手数料額を合意し、顧客が直接仲立人に支払うべきです。

我が国では元受保険料割合は代理店扱いが91.4%、仲立人扱いが少し増えて0.5%、直扱いが8.1%と、代理店扱いが圧倒的な割合を占めているのが実態で、海外ではアメリカやイギリスは仲立人扱いが圧倒的に多く(アメリカでは代理店と仲立人の兼業が認められている)、ドイツやフランスはバランスが取れている状況です。

損害保険市場の規制緩和・撤廃

我が国において機関代理店が現在も存続しているのは、機関代理店が顧客である大企業が自社の保険契約を専門的に取り扱うインハウス機関として設立され、自社の保険の代理店手数料が全て機関代理店の収入になるからです。また、人事面でも、顧客の子会社である代理店に現職職員や退職者を派遣できますし、損保会社側も機関代理店への指導のために現職職員や退職者を派遣することができます。

機関代理店による損保会社の選択は、株式保有などの関係だけでなく、一定の取引関係やメーンバンクからの紹介、企業系列といった関係がある場合が多く、純粋な保険商品や料率に関係なく決定されているので、市場のマーケット原則とは反するわけです。

保険業法も、さすがにこうした専門性の低い代理店が多数存在することは問題であるとして、規制強化を進めようとしています。1つは、自己契約規制の適正化です。保険業法では、自己または自己を雇用している者を保険契約者または被保険者とする保険契約(自己契約)は原則禁止なのですが、仲立人による保険契約の保険料が50%以内であれば構わないことになっており、さらなる規制強化が必要です。また、保険業法300条では保険料の割引、割り戻しが禁止されていますが、実体のない代理店については判定すれば実質的に割り戻しや割引に当たる可能性も出てくるので、より実質的な判断が必要です。

同時に、仲立人に対する過剰な業務規制を廃止し同時に機能強化を図ると共に契約者の便宜に資するために、(1)仲立人に義務付けられている保証金の供託義務を廃止し、賠償責任保険での対応を可能とすること、(2)仲立人の手数料の顧客との合意による決定および顧客からの直接受領を可能とすること、(3)保険会社との個別契約により仲立人の顧客からの保険料の収受を可能とすること、(4)仲立人の手数料につきフィー制度(仲立人の労働負荷に対応した定額の手数料)を導入することが求められるところです。

企業におけるリスクマネジメント

一方、企業側では、会社法や金融商品取引法の改正に伴い、企業の内部統制システムにおいて、リスクマネジメントは重要な内容を占めるようになっています。機関代理店を有している企業では、自社が当面するリスクに対して適正な保険の付保を行っているかをあらためて見直していただきたいと思います。

また、経営者がリスクマネジメントに習熟していない場合は、専門性の高いコンサルタントを活用すべきです。代理店と仲立人は同じような資格だと理解されがちですが、仲立人の試験は専門性が高くなっています。つまり、仲立人は専門性の高いコンサルタントにも適していると考えられます。わが国においては保険コンサルタント制度はまだ存在していないので、仲立人がこれを行うことが企業にとっても有益ではないかと考えています。

将来の損害保険市場

まとめると、損害保険代理店は保険会社と対等に対話できる専門性の高い者、あるいは特殊な保険商品を販売する者に限り、実質的に保険会社から独立性を有していない者は登録を取消・抹消すべきであると考えます。また、仲立人は代理店とは違って、顧客の委託を受けた業務遂行者であるという特質を生かし、コンサルティング機能を強化すべきであります。さらに、仲立人は保険会社から独立し、顧客の代理人であることを、保険業法上、より明確にすべきであると考えます。

質疑応答

Q:

マーケットが国内外でうまく平準化していくことも考えられますが、現状、そうなっていないのは何らかの規制があるからでしょうか。

佐野:

実は立派な規制があって、日本国内のリスクは日本政府から引き受けの認可を得た保険会社にしか付けられません。したがって、日本国内でライセンスを持っていない海外の保険会社への直接付保は原則禁止です。ただ、例外があって、国際的な取引である貨物海上保険や国籍が日本でない船(便宜置籍船)に関しては、海外の保険会社への付保が可能です。

また、海外物件に関しては、海外で直に付保することは可能です。しかし、日本国内の案件は海外の保険会社が直接引き受けられないので、私どもの大事なお客さまであっても、日本の案件は私どもは引き受けられないという扱いです。この部分については、日本は先進国ではないのではないかと思います。

日本の保険会社は、世界的にこれだけ資本力が大きくなったにもかかわらず、企業の利益を守る仲立人がいないので、アングロサクソン系の大手ブローカーに食われているのが実情です。20年待ってもネットワークが築けないのは、規制があるからです。これはある意味、日本の国家財産の毀損ではないかと私は考えています。

Q:

金融庁も含めた法的な問題と、企業側の考え方の問題の、どちらが大きいのでしょうか。

三宅:

私は両サイドに問題があると思っています。金融庁としては、保険業法上、公正なマーケットの確保と同時に、契約者の保護も図らなければなりません。契約者保護を強調すると、仲立人に対して過重な保証金を積ませる制度になってしまいます。それでは仲立人が活動できず、活動できないから制度が発展しないわけで、そこが問題ではないかと考えています。

企業側も、使いたいけれどもなかなか仲立人が進出してこないということはあるにしても、社内システムを変えることを面倒に思っているところがあります。それは、事故が起こった場合の損害の算定は、保険会社と契約者の争いになるわけですが、代理店契約をしていると代理店契約をしている保険会社の担当者が損害認定に来てくれるので、企業の担当者にとっては交渉がスムーズにいき楽だからです。

加えて、代理店に入ってくる手数料で人員を養っている面があります。短期的に見れば利益が上がっていても、長期的な観点に立つと企業の発展性を阻害している可能性もあり、この点は企業経営者に猛省を促したいところです。

佐野:

なぜ保険が必要なのかという原点に戻ってほしいのです。それは決して自社の子会社に人を送り込むためではないと思います。コーポレートガバナンス上の問題も大いにあると思います。競争原理が導入されなければ、企業のコストは下がりません。やってみて保険料が全体で15億円も下がったとなれば、過去の歴代取締役が株主代表訴訟を起こされる可能性もあることが逆に心配されます。今は時代が変わってきているので、責任者の方は企業を守るためにいろいろな情報を得る必要があると思います。

林:

今の制度が続いてきたのは、取締当局も業界と一緒になって、仲立人に対する規制制度を守ってきたからではないかと想像しています。

モデレータ:

最後に、今日の話のまとめに当たる部分について、一言いただければと思います。

佐野:

国内にも、リスクマネジメントを考えて、ブローカーと似た体制が組める何社もの乗り合い代理店をしているところがあります。ですから、一概に代理店だから全て駄目だということではないのですが、やはり欧米と比べるとリスクマネジメントの部分は遅れていると言わざるを得ません。

今日の話の根幹は、民間が仲介者制度をもっと自由に使える体制にすれば、企業のコーポレートガバナンスの問題も自動的に解決され、同時に規制緩和によって先鋭的にコストセーブできれば、それを進化のために使うことが期待できるのではないかということです。

三宅:

経済がグローバルに発展する中で、保険制度はドメスティックな発展だったという齟齬が、明確になって来たと思います。幸いこの提言は(1)となっていますので、更に(2)、(3)を検討していきたいと思います。

林:

保険仲立人の仕事をしていく上で、顧客が求めるいろいろな提案はできるのですが、国内では保険会社の掣肘が強く、保険代理店やブローカーの活動が思うように伸び伸びとできないことが、現実の保険の世界が広がっていかない大きな理由になっています。もう少し自由に保険仲立人や代理店が活動できるようになれば、保険としてもさまざまなリスクにチャレンジできるのではないかと感じています。今回の報告がその第一歩になればと思います。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。